38歳という若さながら、大学生時代に10万円で始めた株で、なんと10億円という資産を築いた男がいる。3年前には勤めていた会社を辞め、現在は広島で保有するアパート2棟の家賃収入と株の利益で生活する高羽太さん。
資産を多く持つ解散企業に投資!
38歳の現時点で株で10億円もの資産を築いた高羽さんの主な手法は、会社の解散やTOB(株式公開買付)、MBO(経営陣による株式買収)などの材料で儲ける「イベント狙い」だ。株は96年の大学生時代に元手10万円からミニ株でスタートし、コツコツと買い増していたが、イベント狙いに目覚めたきっかけは、保有する甲子園土地が02年に上場廃止になり、その後解散したことだ。
「株価20円で持っていましたが、負債が少なく純資産の価値が高かったので、解散時に1株当たり120円で戻ってきた。これで『解散』って美味しいんじゃないかな、と」
企業は解散すると、会社の財産を整理した後に株主に分配する。資産額が大きければ、投資額より大きいリターンを得られるのだ。これがきっかけで高羽さんは1株当たり純資産よりも株価が安く放置されている低PBR銘柄を追うように。そして、04年に日立造船富岡が解散した。
「解散のニュースが出た後、株価は40円くらいでした。その後、株価が上がり、私が買い始めたのは1株当たり純資産の127円を少し下回る株価でしたが、上昇し続けた。調べると、不動産の時価と簿価が違うと掲示板にあり、その後全力で買い増しました。結局、本社跡地の不動産を簿価の3倍以上で売ることができ、買いの平均株価130円に対して、283.5円で戻ってきたのです」
その後も、解散銘柄などを狙って資産を増やし、06年には資産が約2000万円になったが、ライブドアショック後、ライブドアマーケティングの上場廃止で親会社が1株当たり純資産を大きく下回る株価で少数株主が締め出され、一時は資産が激減。
買付価格を下回ったときこそ買い!
たとえば、11年に親会社である日立製作所(6501)が子会社のバンテック(現・日立物流)にTOBをかけたが、成立せず上場廃止を見送った。その時のTOB価格が23万3500円だったが、株価は一旦下落した。
「またいつかTOBに動くと思い、株価が13万円のところで買っていたら、1年後にTOBを再び実施。1年前と同じTOB価格で2000万円くらい利益が出ました」
1株当たり純資産が12万円あり、収益力もあったので、強気で攻めたということだ。
「直近では伊藤忠商事(8001)と伊藤忠飼料が中部飼料(2053)と資本提携を発表したことで中部飼料を注目。資本提携はIRが出てから内容を協議して本決まりまで時間があります。本決まりまでの安値で買って資本提携が成立した時に売る。売り時を計るのが苦手な私にはぴったりのやり方なんです」
高羽さんが好きなのは株価が底値で横ばいを続けている銘柄。徹底的に安い銘柄を買うので、損切りもほとんどしない。また、空売りする人がいる相場で勝てるとは思えないので基本的には貸借銘柄には手を出さない。さらに、東証1部の大型株は株価にプレミアが付いているので狙わない。
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