生成AIの進化と普及が進むなか、今の子どもたちは、幼少期から生成AIに触れることができる「生成AIネイティブ」といえるでしょう。現在、インターネットが当たり前に使われていることと同様に、子どもたちが生成AIを当たり前に活用する未来はすぐそこまで来ているように思われます。
どの知識を使って何をやりたいか、「軸」を決めることが重要
小澤氏は、生成AIの教育現場での活用について、文部科学省が策定した「初等中等教育段階における生成AIに関する暫定的なガイドライン」を引用しながら、生徒向けと教員向けに分けて解説しました。生徒の活用方法としては、「議論を深めるパートナー」としての役割があります。例えば、グループの考えをまとめる際、生徒同士の議論を深め、不足している観点を見つけるサポートをします。
次に、教員の業務への活用についてです。これは、児童・生徒の指導業務の支援、教材や問題の叩き台作成、生成AIを相手とした模擬授業による授業準備などがあげられています。また、学校行事や部活動の支援にも活用可能です。校外学習の行程を作成したり、運動会の競技種目を作成したりすることもできます。さらに、学校運営の業務支援として、報告書や教育研修資料の作成のサポートをすることも可能です。
![QuizKnock×GUGAが語る、生成AIを「教育」にどう取り入れる?「【生成AI×教育入門】生成AIを使える、教えられる先生になろう!」イベントレポート](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FDigitalShiftTimes%252Fd0%252FDigitalShiftTimes_aa86f99274fe4c1dad22bd877c2c3f563a8bdb85%252FDigitalShiftTimes_aa86f99274fe4c1dad22bd877c2c3f563a8bdb85_2.png,quality=70,type=jpg)
以上のようなガイドラインの内容を踏まえ、小澤氏は「教員の業務に生成AIを活用できる一方、生成AIに全てを委ねるのではなく、自身の判断や考えが重要である」と指摘します。生成AIのアウトプットを承認し、意思決定し、責任を取ることができるのは人間だけです。
田村氏は、生成AIをまだ使ったことがない教員に向けた話をしました。「生成AIの活用」や「生成AIでこんなことができる」と言うと、日常生活とはかけ離れたものをイメージしがちですが、田村氏は「生成AIは、あくまで一つのツールと捉えた方が身構えないようになる」と指摘します。その上で、生成AIを使う際は、「とりあえず」という考え方が重要だと言います。例えば、ChatGPTを使い「とりあえず、何かを出力させてみる」という姿勢です。このような考え方が生成AIを活用するコツであり、生成AIを使いこなす第一歩となると語りました。
![QuizKnock×GUGAが語る、生成AIを「教育」にどう取り入れる?「【生成AI×教育入門】生成AIを使える、教えられる先生になろう!」イベントレポート](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FDigitalShiftTimes%252Fd0%252FDigitalShiftTimes_aa86f99274fe4c1dad22bd877c2c3f563a8bdb85%252FDigitalShiftTimes_aa86f99274fe4c1dad22bd877c2c3f563a8bdb85_3.jpg,quality=70,type=jpg)
そして田村氏は、「とりあえず」で生成AIを活用する具体的なシーンを四つに分類し、紹介しました。一つ目が「思考の整理」です。
このような使い方を踏まえて田村氏は、「生成AIは、そんなに大仰なものではなく、『とりあえず』という感覚で使うことができるツールです。是非、まずは一度、触ってみてください」と、生成AIを敬遠せず、軽い気持ちで使ってみることを推奨しました。
教員側にもAIに対するリテラシーが求められる
![QuizKnock×GUGAが語る、生成AIを「教育」にどう取り入れる?「【生成AI×教育入門】生成AIを使える、教えられる先生になろう!」イベントレポート](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FDigitalShiftTimes%252Fd0%252FDigitalShiftTimes_aa86f99274fe4c1dad22bd877c2c3f563a8bdb85%252FDigitalShiftTimes_aa86f99274fe4c1dad22bd877c2c3f563a8bdb85_4.jpg,quality=70,type=jpg)
三浦氏は、生成AIを活用する上で必要となる「AIリテラシー」について語りました。生成AIを利用する生徒はもちろんのこと、教員側にもAIに対するリテラシーが求められます。文部科学省のガイドラインでも、「教員側のAIリテラシーが必要」と何度も記載されています。その上で、三浦氏は「教員にも生成AIリスキリングが求められている」と指摘します。
生成AIリスキリングをする際は、「AIリテラシー」と「スキル」の2つを身につける必要がありますが、「生徒に教える」という観点から、まずは「AIリテラシー」を身につけることが重要だと言います。AIリテラシーのなかでも、特に「リスクへの対応」が重要です。誤情報や個人情報の漏洩、権利侵害など、生成AIを利用する際、そのリスクを理解することは非常に大切になります。
三浦氏は、リスクを認識するための「4つの問いかけ」を紹介しました。それは、「その情報・生成物は、『事実だと言える(確認できる)のか?』『主観的なのか、客観的なのか?』『権利侵害にあたる可能性がないのか?』『倫理的に問題がないのか?』」の4つです。三浦氏は、「先生には、この4つの問いかけを覚えていただいた上で、是非とも、どんどん生成AIを活用してほしい」と締めくくりました。
![QuizKnock×GUGAが語る、生成AIを「教育」にどう取り入れる?「【生成AI×教育入門】生成AIを使える、教えられる先生になろう!」イベントレポート](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FDigitalShiftTimes%252Fd0%252FDigitalShiftTimes_aa86f99274fe4c1dad22bd877c2c3f563a8bdb85%252FDigitalShiftTimes_aa86f99274fe4c1dad22bd877c2c3f563a8bdb85_5.png,quality=70,type=jpg)
生成AIの社会実装を通じて産業の再構築を目指す、国内有数の生成AIプラットフォーム。AI初心者のために誕生した、生成AIリスクを予防する資格試験「生成AIパスポート」や、AIツール導入時の「IT導入補助金」の申請支援を強化する「GUGA生成AIコンソーシアム」などを提供。QuizKnock
東大クイズ王・伊沢拓司が中心となって運営する、エンタメと知を融合させたメディア。「楽しいから始まる学び」をコンセプトに、何かを「知る」きっかけとなるような記事や動画を毎日発信中。YouTube(https://www.youtube.com/c/QuizKnock )チャンネル登録者は216万人を突破。(2024年2月時点)株式会社baton
ビジョンである「遊ぶように学ぶ世界」を実現するために、遊びと学びをつなげる各種サービスの運営やコンテンツの制作を実施。 エンターテインメントと教育をかけあわせたサービスを通して、自分の可能性をひらくきっかけを提供している。