本作は、人生に悩む医者と余命宣告された患者の2人が、人は何のために生き、何を残すのかという永遠の問いの答えを求めながら各地を巡るヒューマンドラマ。
妻夫木が演じるのは、人生に悩む内科医・佐倉陸役。シリアスからコメディまで様々な役を演じ、映画『ある男』では日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞するなど数々の話題作へ出演する妻夫木は、今回テレ東ドラマに初出演にして初主演となる。
渡辺は、陸と旅をする余命宣告を受けている男・成瀬翔役。日本を代表する俳優であり、映画『ザ・クリエイター/創造者』などハリウッドでも活躍を続ける渡辺は、今回役作りのために7キロもの減量をしたという。
そして物語を綴るのは、『ロングバケーション』(フジテレビ)や『ビューティフルライフ』(TBS)など、数々のラブストーリーを生み出し“ラブストーリーの神様”と呼ばれる脚本家・北川悦吏子。北川のデビューはテレ東で、1989年に放送したドラマ『月曜 女のサスペンス』の中の一遍「赤い殺意の館」の共同脚本を担当した。
それから30年以上の時を経て、北川がテレ東に帰還。北川作品に妻夫木が出演するのは『オレンジデイズ』(TBS)以来20年ぶり。渡辺の出演は初となる。
さらに監督は、映画『余命1ヶ月の花嫁』『月の満ち欠け』『母性』など、数々の名作を生み出している廣木隆一が務める。
<妻夫木聡(佐倉陸 役)コメント>
今回、北川悦吏子さんとご一緒するのは約20年振りとなりました。そんなに月日が経っていたとは全く想像もつかなかったのですが、終わってみたらこの作品で再びご一緒するのは、どこか運命だったのではないかと思うくらい、僕にとって素晴らしい出逢いとなりました。
<渡辺謙(成瀬翔 役)コメント>
北川悦吏子さんから作品へのお誘いを頂いた。医者と死に行く患者の話だという。私は、かねてから医療に関するドラマを固辞していた。自分の体験から本当に苦しむ患者の気持ちはドラマでは描けないと感じていたからだ。そこからメールのやり取りが数回続いた。
<脚本家・北川悦吏子 コメント>
点滴を見つめる生活を続けた。なぜ、生きなければならないのか? また死を迎える人は、なぜ死ななければならないのか? 生きるって何だ?死ぬって何だ? 人間ってどうだ? この15年来、脚本家としてどうしても書きたいと思っていたテーマだ。書いてみたら意外にも愛の話になった気もする。わからない。この物語に、生と死に関してはっきりした結論があるのかどうかもわからない。答えなんてない中で、私たちは、ただ、生き続けるのかもしれない。けれど、妻夫木聡くん、渡辺謙さん、廣木隆一監督、得難い方々に集ってもらい、作品は、命を持つ生き物になった。どうせ100年経ったらこの世は総入れ替え。今、この世界に生きる、どこかの誰かの胸に届くことを願って。
【あらすじ】
佐倉陸(妻夫木聡)はたぐいまれなる才能を持った外科医だったが、あるときからメスを握れなくなる。精神的にも追い詰められた結果、外科を追われ内科医となった。入院患者と向き合う日々が続く中で、余命宣告されたがん患者である成瀬翔(渡辺謙)の担当医に。繰り返される手術と抗がん剤治療にうんざりした成瀬は陸に「殺してくれよ」と言った。陸はあっさりと「いいですよ」と。「でもその前に、やりたいことはありませんか」。そして2人は病院を抜け出し、バイクで旅に出た。キャンプをしたり、生まれた街へ行ったり、初恋の人に会ったり。成瀬はたびたび体調を崩すが、主治医である陸がついているから安心だった。しかし、陸は密かに「ある薬」を持っていたのだった……。人生最後の旅を通して「人は何のために生きるのか」を模索するロードムービー。