反町隆史さんが主演を務める『GTOリバイバル』(カンテレ・フジテレビ系)が、カンテレ・フジテレビ開局65周年特別ドラマとして4月1日(月)21時から放送されます。

元暴走族の高校教師・鬼塚英吉(反町)が破天荒な行動で生徒や学校の問題に体当たりでぶつかっていく姿が大きな反響を呼んだ連続ドラマ『GTO』が、26年ぶりに新作スぺシャルドラマとして復活します。
『GTOリバイバル』でも、鬼塚が問題だらけの高校に教師として赴任し、悩みを抱えた生徒たちに鬼塚流の熱血授業を展開。時代は平成から令和へと変わり、当時はなかったSNSでの誹謗中傷やトラブルなども増加。富める者は富み、貧しい者は貧しくなり、ますます生きづらくなってきている現代で、かつてグレイト・ティーチャーと呼ばれた男が、令和の高校生とどう向き合っていくのか注目が集まります。

今回、反町さんに26年ぶりの復活を決めた理由、連続ドラマでは生徒役だった豪華俳優陣と再共演した感想などをお聞きました。

「今だったらできる」26年ぶり復活への思い

――なぜ26年ぶりに鬼塚を演じてみようと思ったのでしょうか。

24歳のときに『GTO』を演じ、その後も何度かオファーはいただいたのですが、そのときは俳優として過去の作品を復活させることよりも、もっと違う役、新しい役を演じたいという思いの方が強かったので、「いい機会があれば」とお断りをしていました。
しかし、僕自身も娘が2人生まれて高校生、大学生になって、24歳で演じた鬼塚英吉とはまた違った目線で物事が見られるようになり、深く感じられることも多くなったなと。また、数年前に主題歌の「POISON」が赤ちゃんが泣き止む歌として話題になって、改めて歌詞を見直したときに「あ、何かいいこと言ってるな」「もしかしたら今の時代でももっと通用するのかな」と思ったことも理由の1つです。

あとは、トム・クルーズが36年ぶりに『トップガン マーヴェリック』の続編を演じたことで、(映画の)内容はもちろん、俳優としてのトム・クルーズの生き様に共感できたんです。すごいことだなって。そういった要因が重なり、今だったらできるな、今だったら鬼塚英吉として話せることもあるのかなと思い、こちらからオファーさせていただきました。

――ドラマを通して伝えたいメッセージとは何でしょうか。


生徒に対しての愛情ですね。僕の娘たちは海外留学しているのですが、留学先の先生方は生徒にまず褒めて接するんです。日本でもいい先生はいると思いますし、文化の違いもあると思いますが、先生方の愛情表現の仕方、愛情のかけ方が僕は違うなって思ったんですよね。“今の子供たち”という言い方は変ですけど、果たしてこの子たちに尊敬している先生はいるのか、先生から愛情をもらっているのか、本当に親身になってもらっているか……。今回も鬼塚が生徒の目線に立って愛情を注ぐ、そこを大事にしたいなというのはありますね。

――娘さんの話題も出ましたが、子育てをする上で心がけていることはありますか。


娘たちは娘たちなので、子供たちの社会で生きていくなかで、やっぱり親には言いたくないこともあるだろうし、言いたいこともあるだろうし、できるだけ娘が言うまで待つということはしています。あと、選択は本人にさせますね。全ての選択を本人にさせるっていうのがやっぱり一番大事かなと思っているので、そこを大事にしています。

26年の時を経ても変わらぬ愛情と情熱

――26年ぶりに鬼塚を演じるにあたり、スムーズに戻ることはできたのでしょうか?

過去の映像は見返しました。でも今回は脚本をみんなでいろいろ作ったり、打ち合わせをしたりしていく中で、自分の中で鬼塚の言葉などが自分自身に染み込んできているのが徐々に感じられたんです。現場に立ったときは無理していることもなく、26年前と変わらない自分がいました。


基本は僕自身も鬼塚というキャラクターもみんなも、「とにかく熱くやる」というのが『GTO』。そのエネルギーが見ている人に伝わって、「なんかこの瞬間っていいな」と思ってもらえたらいいなと。「とにかく熱く」ということは現場で結構、話させてもらいました。

――1998年版のメンバーとの再共演はいかがでしたか?

約2日の撮影でしたが、しゃべらなくても当時の雰囲気というのをすごく感じました。男同士だし余計な会話があるわけではないんですけど、ああ何か懐かしいなっていうのはみなさん感じていたんじゃないかなと。今回、小栗くん、窪塚くん、池内くんと山崎くん(※)でLINEグループ作ったんですね。
池内くんが当時のスケジュール表を持っていて、「お前何でこんなもん持ってんだ(笑)」ってなったり、山崎くんも意外にいろいろなことを覚えていたりして。僕が一番うれしかったのは、みんなが『GTO』という作品に対してすごく愛情も思い出も全部背負いながら26年間いてくれてたんだなってところです。

(※)小栗旬窪塚洋介池内博之、山崎裕太

――視聴者へメッセージをお願いします。

令和の生徒に熱く愛情を注ぐ作品ですが、たとえ令和の子供たちに100%伝わらなくても、「何かこのおっちゃんの言ってること少しわかる」とか、「何かちょっといいな」とか、そういう風に少しでも何か思ってくれたらうれしいですし、当時見てくださっていた親御さんたちがお子さんと一緒に見て、「何かいいでしょ?」と共感したり、「これが言いたいんだよね、こういうことだよね」「これがGTO」と大人目線で感じたり、それぞれ違う喜びがあると思うので、ぜひ親子でも見てほしいなと思います。

(取材・文:佐藤文子)