U-23アジアカップを制し、その勢いのまま約2か月後に迫ったパリ五輪に臨む日本代表。
闘莉王が提起したのはディフェンスのあり方で、「ビルドアップがうまいとか、技術の高い選手を選ぶということにちょっと目線が行き過ぎて、もともと一番大切である“守ること”を忘れがち」と力説。選手の選考基準が守備力よりも足元の技術になってしまっていると主張した。
大津も「今の若い選手たちは技術が高い分、個人で守るというところは確かにちょっと欠けているのかなっていう印象があります」と、闘莉王の意見を支持。また、アジアカップで日本代表の失点した3ゴールはすべてヘディングで決められていることも懸念材料となっており、闘莉王は高さと競り合い方が甘いと分析する。
わずか1点が命取りになる世界との戦いにおいては、ゴールを守る意識を高めるべきという意見で一致。大津はさらに、オリンピックならではのチームづくりの難しさにも言及する。23人の選手を登録できる一般的な大会とは異なり、オリンピックでは選手を18人しか登録できない。
大津は「監督が選ぶメンバーももちろん重要ですし、チームとしてそのメンバーになったときに、どういう風にチームとして戦うか。オーバーエイジを中心にどういう風にチームづくりを考えるかっていうのは、優勝するためには大事なポイントだと思っています」と自身の考えを明かした。
また、Jリーグウォッチャー・平畠啓史からの「ずっとアンダー世代で一緒に戦っていたメンバーでしょ。やっぱり(仲間の落選は)ちょっと寂しいというか、辛いところもありますよね」という問いかけに、大津は「僕らの代では比嘉祐介選手がすごく試合に出ていた中で落選してしまったんですけど、彼は落選しているのに本選に向けてビデオレターを作ったんですよ」と、エピソードを披露。
そして、大津も指摘する通り、チームづくりの要となるのがオーバーエイジだ。24歳以上の選手を3名使える特別ルールだが、必ず起用しなければいけないわけではない。
しかし、番組がサッカーファン118人に聞いてみると、オーバーエイジは「必要」という意見と「必要ない」という意見がほぼ半々という結果に。経験豊富な選手を入れるべきか、それとも若い力だけで挑むべきなのか。出演者の4人は、全員がオーバーエイジは「必要」という意見でまとまり、大津は「すごく助かるなっていう印象を受けたんですよね。オーバーエイジに引っ張られることが僕らはすごく多かったです。
一方、闘莉王は「絶対に必要だと思います。オーバーエイジの選手にも責任感が出てくるし、若い選手が見ていることによって、引っ張らなきゃいけない、こういう道に進まなければいけないんだなというところを見せてくれる」と、オーバーエイジ側にもメリットがあると強調した。
闘莉王と大津の2人は、パリ五輪に呼ぶべきオーバーエイジの選手についても具体的な名前を挙げる。大津が選んだのは、カタールW杯でも活躍した欧州リーグで活躍する選手たち。中でもキーマンに挙げたのは遠藤航だった。
闘莉王はディフェンスに冨安健洋と板倉滉のA代表コンビと、フォワードには現在A代表から遠ざかっている大迫勇也をチョイス。「軸になるフォワードをどうしても選ばなきゃいけない」という闘莉王の意見に、平畑も「僕もフォワードで大迫選手を見たいんですよね。キープ力もそうですし、競り合いでも本当強いじゃないですか。やっぱり世界で戦ってきた選手ですし」と同意。大津も「本当に大賛成です! 確実にボールの起点にもなるし、得点も取れる」とヒートアップしていた。
また、招集の見送りが報じられた久保建英についても議論が白熱。闘莉王が「良い選手は呼ぶべきです。それを機能させないのであれば、監督の腕が足りないってだけの話なんで」と物申すと、大津も「一切迷いがないです。絶対に入れてくださいっていう」と賛同。平畑は「やっぱり東京五輪で久保選手、すごく悔しい思いをしていると思うので、もし呼べば相当気持ち込めてプレーするんじゃないかなっていうところも含めて、ちょっと見たいですね」と期待を寄せた。
次回6月1日の放送は、引き続き闘莉王と大津がゲスト出演。パリ五輪におけるグループリーグの戦い方について徹底的に討論する。