■BEVらしいパッケージング
アウディジャパンは2022年1月17日、新しいBEV(電気自動車)のSUV「Q4 eトロン」「Q4 eトロン スポーツバック」を発表。同日より予約注文を開始した。
デリバリーは22年秋以降を予定。価格は599万円から。

【早くも第3のBEV】アウディの新型BEV、Q4 eトロン登場! インフラ整備も積極的な今後の戦略とは?


eトロン スポーツバック、eトロン GTに続くアウディ第3のBEVであるQ4 eトロン。名前にQが付くことからもわかる通り、SUVにカテゴライズされる全長4.6mのCセグメントモデルだ。BEV専用のプラットフォーム「MEB」を採用し、バッテリーを前後アクスル間の床下に収納。ホイールベースは長く、オーバーハングは短いというBEVらしいスタイリングで、Q5をもしのぐ広い室内空間を実現した。

駆動用バッテリーはリチウムイオンで、総電力量は82kWh。一充電航続距離は約500km(欧州参考値)で、125kWまでの急速充電(CHAdeMO規格)にまで対応している。125kW最大では容量80%まで38分で充電可能。200Vの普通充電は最大8kWまで使用できる。

Q4 eトロンは、アウディとしては珍しい後輪駆動を採用。リヤアクスルに搭載する1基の電気モーターは150kW(204ps)/310Nmを発生し、0→100km/h加速8.5秒の俊足ぶりを見せる。


発表会にはSUVタイプのQ4 eトロンしか展示されなかったものの、クーペSUVのQ4 eトロン スポーツバックもラインアップ。ほかのスポーツバックSUVと同様、リヤエンドに向かってなだらかに下がるルーフが特徴的だ。

■充電インフラ整備へのアウディの回答
アウディに限らずBEVが加速的に増えている昨今。誰もが疑問に思うことは、充電設備の配備は間に合うのかということだろう。

【早くも第3のBEV】アウディの新型BEV、Q4 eトロン登場! インフラ整備も積極的な今後の戦略とは?


この日の発表会は、アウディジャパンが毎年行っている年頭会見も兼ねており、マティアス・シェーパース代表からはこれからの充電インフラについても述べられた。Q4 eトロンの発表よりも、こちらの情報のほうがインパクトがあると感じる人もいるかもしれない。

シェーパース代表は、急速充電を軸としたインフラ整備をしていくことによりユーザーの不安を取り除いていくと話している。

現在日本国内でもっとも多く設置されている50kW急速充電はもはや急速とは言えない状況になっているため、今後アウディの全ディーラーにもっと強力な90~150kWの急速充電器を整備していくと発表した。まずは現状50kWを置いている約50ヶ所のディーラーから、22年の夏を目処に150kW型へ変えていくようだ。

150kW型になれば、例えばeトロン GTならばたった10分の充電で約130km走行分が充電できる。コーヒーを1杯飲んだり、お手洗いに行ったりというようなちょっとした休憩で充電できる環境を、これからは全国の全アウディ販売店に展開していく。

■全国250ヶ所以上にまで拡大する急速充電
そして同様の充電インフラは、アウディ以外のフォルクスワーゲン(VW)グループ内のブランドにも展開される。
VW、ランボルギーニ、ベントレーを合わせた4ブランドのディーラーに90kW以上の急速充電器を設置していくと、全国250ヶ所以上に配備されることとなる。これは、90kWオーバーの急速充電インフラとしては、現段階で日本最大のネットワークだ。

このネットワークでは、VWグループのユーザーであればグループ内のどのディーラーでも急速充電が利用できるようになる。今後はグループ内のブランドごとの垣根をなくし、シームレス化して利便性を向上させていくとシェーパース代表は語った。

また、駐車時間が長くなるような場所には、急速ではなく8kWの普通充電器も増やしていくようだ。VWグループでは、提携しているホテルやゴルフ場を中心に普通充電の整備も進めていく。急速充電器と比較すれば、200Vの普通充電器は安価に設置できることから、今後充電ポイントはますます増えることになるだろう。

VWグループは、この普通充電器はVWグループのユーザーだけではなくすべてのBEV・PHEV利用者が使えるようにしていく考え。公共充電設備として機能することによって、BEVユーザーの不安材料をなくす方向へシフトしていくようである。

アウディは、2026年以降に発表するモデルをすべてBEVにするとすでに発表しているが、他社でもレクサスメルセデス・ベンツ、ボルボ、ジャガー・ランドローバーなど、BEV化を宣言しているメーカーが増えてきている。今後、こういったブランドが増えることによって充電インフラは大きく変わっていくだろう。90kWを超える出力の急速充電器がほとんど整備されていない日本において、今回のVWグループの決定は大きな一手になるはずだ。


BEVがこの先普及するかどうかに大きく関わってくる、充電インフラの整備。他ブランドがVWグループをどう追随していくのか、今後の動向が楽しみである。

<文=ドライバーWeb編集部・青山>
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