「1作目のハイドライドでは短いパスワードで済んでいたのが、IIになりマップが拡大し、パスワードで入力するとかなり長くなってしまうことがわかりました。そこで、当時ちょうど業者(加賀電子)から売り込みのあった、バッテリーバックアップを搭載したんです」
ハイドライドIIの説明書にも、経緯は説明されていた。
“ハイドライドIでは、ゲームの途中データはパスワードによって保存できたのだが、今回のハイドライドIIでは、あまりにも途中データの要因の数が多すぎて、もしパスワードによって処理しようとすると、約50文字のおっそろしく長ったらしいものになってしまう。これじゃあユーザーの人達もかったるくてしょうがない”
バッテリーバックアップにした分、ソフトの値段は上がったけど、煩わしさが消えて評判は上々。その後、コストが下がったフラッシュメモリに取って代わられるまで、多くのソフトに搭載されていた。ロールプレイングゲームの元祖とも言われるハイドライドは、バッテリーバックアップでも元祖だったのだ。
長時間かけて積み上げたものでも、一瞬で消えることがあるっていう「物の儚さ」を子供に見せつけた、バッテリーバックアップ。
ただその厳しさゆえに、今では懐かしい思い出として、頭のセーブデータから消えずにロードされてます。
(イチカワ)
※「ハイドライド」は、現在ディーワンダーランド社がその権利を保有しています