俳句の世界では、おでんは冬の季語。確かに熱々に煮込まれたおでんは冬にピッタリの味だ。


しかし、自動販売機でおでん缶が販売され、冷たい夏向けおでんが世間を賑わせ、現代のおでんは一年を通して愛される存在になりつつある。

そしてこの春、紀文食品さんが、おでんの新しい可能性を打ち出した。それが“春おでん”だ。

“春おでん”とは、紀文食品さんから販売された調理済みのレトルトパックおでんのこと。

味の決め手は鯛とかつおの風味を生かした、見た目にも淡い白だし。
すっきりとした香りと味わいで春をイメージし、さらにおでん種にタケノコなど季節の具材を使うことで春らしさをアップ。

他にも鶏だんごや大根など6品の種が入れられ、ボリュームもじゅうぶんだ。

おすすめの温度は熱々よりも、少し暖かい程度。そうすることで白だしの香りがふんわりと漂う、上品な仕上がりに。
そしてこのおでんは、ワサビを薬味に添えるとまた違った味わいで楽しめるのだとか。

販売は3月2日から5月31日までの限定。さらに販売地域は青森から東京、新潟から愛知など、東北~中部のみ。

期間も地域も限定された商品なものの、人気が出れば他エリアでの販売の可能性もあるそうだ。

ちなみにお家で春おでんを作るにはどうすればいいのか。

伺ってみると春おでんのポイントは、あっさりとした“かつお風味”にあると言う。
寒い時期に食べるおでんはこってり濃厚な味が美味しいが、寒さもゆるむ春には、あっさりとした出汁の味がぴったり。透き通った出汁もなんとも春らしい。

出汁の中に入れる種は、大根の代わりにカブ。
さらに鮮やかな菜の花を加えると単色になりがちなおでん鍋に彩りが加わり、見た目から春を感じられそう。
ただしいずれも火が通りやすいため、煮すぎにだけはご注意を。

カブにはユズ。そして菜の花にはオリーブオイルと黒こしょうのトッピングで食べるのがオススメだそうで、前述のワサビといい、出汁がアッサリしているだけにトッピングや薬味にこだわるのも春おでんの特徴か。

そんな春おでんはもちろん低脂肪&ヘルシー。春に向けてダイエットをしている人にも心強い一品だ。

ちなみに北海道など北の地域の郷土おでんでは、おでん種に山菜を加えることもあるそうだ。春の山菜をさっと汁にくぐらせるだけでも、おでんで春を感じられるかもしれない。

花が咲き温度が上昇し始めても、寒の戻りなどで気を抜けないのが日本の春。
ちょっと肌寒い日には、ほんのり温めた春おでんをどうぞ。
(のなかなおみ)