「里帰り(帰省)」を予定している、なんてことを聞くと「いいね~美味しいものがたくさん食べられるね~」というところにいきつく。
ここ、アメリカからの里帰りでも、日本国内での帰省でも、「食」に対する思いは個人差はあるものの、食事が理由でホームシックにさえなることもある。

生まれながらに食べ慣れてきた食事というのがやはり、安心できて懐かしくもあり、それがその人にとってはものすごく美味しく恋しい物なんだろうと思う。

日本に住んだことがある、というアメリカ人の同僚が当時すご~く食べたかったものとして挙げてくれたものが「ピザ」だった。彼等の知人で日本滞在経験のある計12人にも聞いてみたところ、ダントツのナンバーワンでピザ(11人がピザ、1人がホットドッグ)。
「ピザなんて日本にもあるでしょう? ピザトーストなんて優れたパンものもあるし、宅配も簡単に手配できるし」と攻めてみた。
「違うんだよ~、日本のピザはピザじゃないよ~」と返されてしまった。

日本のピザは世界同様、同種ピザだとばかり思っていたのだが、アメリカ人の彼等にとっては別物らしい。

「日本でピザを食べるとなると、高いわりに美味しくないし」と、我々日本人が、海外でなんちゃって日本食を食べる心境と全く同じことを言っていた。

同僚達好物の「ガベージピザ」(残飯ごみピザ)は、日本中のどこを探してもありそうにはない。ネーミングから食欲さえなくしてしまいそうなピザ、実はアメリカ では普通に溢れているピザの種類だ。
自分で作る時には、冷蔵庫整理という感じで残り物を全て、ピザのトッピングにしてしまう、というようなもので、ピザ屋へのオーダーの時には「トッピング全て」が基本になっているらしい。

日本でだって「全部のトッピングを乗っけて、って頼めばよかっただけなんじゃないの?」という問いには、「駄目だ! それは絶対に駄目!」。
普通の何でもないチーズとトマトソースのピザでも受け入れられないのに、彼等によると、ピザにコーンやマヨネーズ、ツナはありえないというのだ。

「コーンマヨピザってのを見た時には、めまいさえして倒れるかと思ったほど」なんだそうだ。

彼等アメリカ人のお国の味は「ピザ」だとしたら、我々日本人が恋しくなるものは「ご飯」だろうか? しかし、米は比較的どこにいても手に入りやすく、普通の鍋でも炊飯可能なのでホームシックの理由にはならないかもしれないが、日本のラーメンだったらありかな~。
みなさんだったら、何を食べるのを楽しみに里帰りしますか?
(シカゴ/あらた)