不況の中、さらに梅雨という時節柄もあって、缶詰を使ったレシピが雑誌やテレビで盛んに紹介されている。

ところで、そんな缶詰の中でも食卓の登場頻度の高い「ツナ缶」が、コーンやベーコンと「同居」しちゃってる商品をご存じだろうか。


いなば食品の「ツナ&素材缶」。
ツナ&コーンのオイル無添加タイプや、ベーコン入り、さらにツナ&ビーンズ、ツナ&パテ、など、様々な仲間があるようだが、特にツナ&コーンは、缶詰界の二大選手がガッチリ手を組んじゃった感じだ。
我が家では常備缶となっており、朝のサラダに、ミニピザに、パスタに……と大活躍してくれている。

こうなると、「ツナは潜在能力的には誰とでも組めるんじゃないか」とか、「なぜ限られた店でしか見かけないのか」などが気になってくるけど……。
いなば食品に聞いてみた。

「『ツナ&コーン』はいろいろリニューアルしつつ、ベーコン入りに関してはもう10年ぐらいやっているものなんです。
もともとはツナ缶もコーン缶も両方やってるので、それを組み合わせようという発想でした。というのも、最近は核家族が増えていて、両方の缶をあけてしまうと、量が多すぎて残ってしまう……という声があったんです」

きっかけは、「両方やってたから」と、ごくシンプル。だが、実際、サラダのときに両方の缶をあけると、残りを小さな容器にうつして保存しなければいけなかったりするため、1つの缶で2種楽しめ、「使い切れる」のは、大きな魅力である。
ちなみに、これらは「コーンの甘さとツナの旨み」が合うよう、品種選びなどを工夫したものという。

ただ、こんなにも便利なのに、あまりスーパーなどで見かけないけど、販売店はどんなところ?
「100円均一ショップなどを中心に展開しています。ツナ業界では、うちは1位のはごろもフーズさんに大きく離されて2位なんです。
これは販売力の差もありますし、缶詰コーナーでは特売品をまとめて買う方が多いこともあって、100円ぐらいの商品でちょっと変わった商品など、いろんな商品を出してなんとかやっていっています」
そのため、「ツナ&コーン ベーコン入り」は10年選手になっているが、「ツナ&ビーンズ」は「マグロの価格が上がって採算が合わず販売中止」になったり、「ツナ&パテ」も「作った分だけで終了」となったりと、ツナ界で生きる道はなかなかに険しい。

近年は、100円くらいで売れるように、輸入品で125グラムの「ツナ&コーン」を出したり、ササミ&コーンを出したりしているそうだが、ここで疑問。
ツナと合わないものはないんでしょうか? たとえば、ワカメなどの海藻類も入ってると、サラダにさらに便利だけど……。

「海藻も可能かもしれませんね。液体につかると海藻は茶色くなっちゃうので、難しさはありますが、やってみると面白いかもしれません」

業界2番手のいなば食品が、アイディアを武器に勝負していく「ツナ&アレコレの出合い」。今後の新たな出合いにも注目です。

(田幸和歌子)