PCユーザーにとって、なくてはならない入力機器といえば、キーボード。それが突然、壊れたら大変ですよね。
ブログやメールが書けなくなるし、ログインもできない。

で、いつも気になるのは、ノートPCのキーボードの薄さ。その薄さを見ていると、
「ちょっと強く押したら壊れるんじゃないか」と心配になるのだ。
そこで、富士通グループでパソコンキーボードを製造する富士通コンポーネントにこの疑問をぶつけてみた。

――そもそも、キーボードを薄くするメリットは。
「ノートPCはポータブル性の観点から、キーボードを薄型化するのが望ましいのです。また、一般的に薄くなると重さも軽くなるうえ、製造時のCO2排出削減や省資源など、エコに寄与できます」

――薄型化のデメリットは。
「薄型化によって、現在主流のキーボードはメンブレンスイッチでシザーズ(パンタグラフとも言う)方式になっています。しかし、この方式はキートッブの押し方向が本来は垂直であるべきところが、微量ながら水平に滑ってしまいます。また、押し込むほどキートップとシザーズ部の勘合の中心がズレていきます。結論として、キーが外れやすく組み立て直すのが難しい方式であり、それがデメリットといえるでしょう」

――薄型キーボードはキーが外れやすいので、ハードに使用しないほうが無難か。
「そのようなデメリットの対策として、当社製の薄型キーボードには、独自開発した『V字ギヤリンク方式』を採用しています。
この方式では、押し圧が垂直方向に安定しており、キートップが外れにくくなっています。万が一、キートップが外れた場合でも、簡単にはめ込むことが可能な構造になっているのも大きな特徴です」

やはり一般的に、薄型キーボードにはキーが外れやすいという脆弱な面があることは否めない。キーを自分で元通りにはめ込めなければ、修理または買い替えである。
以前、「デスクトップPCの良さを考える」で、用途やユーザーの性格を考慮してPCを選んだほうがベターだと説明した。
ノートPCだけでなく、デスクトップPC用のキーボードも薄型化が進んでいる今日、入力作業が多い、キーを強く叩く癖があるユーザーは、安さや外見だけで選ぶと後悔することになるかも。
筆者も実は、何台もキーボードを壊しているヘビーユーザーなので、他人事ではないのだ。
キーボードやパソコン選びは慎重に!
(羽石竜示)
編集部おすすめ