ところで、暑くなると、活発になるモノのひとつに、にっくき蚊がいる。
過去のコネタによると、多くの蚊は、気温が15℃以上になると吸血を始め、25~30℃まで上昇するとさらに吸血活動が活発化されるというけど……。
ここで、かゆみに関する素朴な疑問。なぜ自分で掻くよりも、他人に掻いてもらうと気持ちが良いものなのか。
1つには、「背中など、自分の手が届きにくい部位」ということがあるだろうが、自分の手が届く掻ける部位であっても、他人に掻いてもらうほうがなんとなく気持ちが良い気がする。これってなぜ?
「ムヒ」でおなじみの、かゆみを科学する池田模範堂の研究所に聞いた。
「『かゆみ』も『痛み』も、知覚神経を介して、脳に伝わるようになっています」
そもそもなぜ掻くと気持ち良いのだろうか。
「掻くことによって、かゆみが分散し、緩和され、脳に伝わりにくくなるからと言われているんですよ」
掻くという行為は、「かゆみの原因」である部分を、掻くことで散らして薄め、一時的にわかりにくくさせるという意味があるよう。
それにしても、なぜ自分で掻くより他人に掻いてもらったほうが気持ち良いのか。
「これははっきりわかっていないのですが、おそらく自分でかゆい場所を手探り状態で探して掻くよりも、他人に掻いてもらうときには、正確にかゆい場所を指定するのだろうということがまず言えます。また、自分で掻く場合は、掻くことによって起こる肌のトラブルなどを考え、手加減しがちですが、他人なら躊躇なく強く掻いてもらえるから、より気持ちが良いということもあると思いますよ」
ちなみに、昔からかゆいところは「掻いちゃダメ」と言われてきたもの。そこで、一時しのぎとして、爪で十字をつけるとか、つねることが多かったけど、これってなぜ?
「かゆみの神経と痛みの神経は、互いに影響を及ぼし合うことがわかっています。
ところで、「かゆいところに手が届く」という言葉があるように、かゆい場所を掻くのは、本当に気持ちが良いもの。でも、やっぱり掻いちゃダメですよね?
「ただでさえかゆみを感じる皮膚はトラブルを起こしているので、掻くことによって刺激を与えしまうと、ますます悪化してしまうことが考えられます」
いくら気持ちが良いからといって、掻くのも、他人に掻いてもらうのも禁物。かゆいときには、早めの薬の治療をお勧めします。
(田幸和歌子)