夏、暑いのは人間ばかりではない。犬も、デジカメもそしてパソコンも。
ということで、デジカメの暑さ対策を以前取り上げたが、今回はノートPCの熱問題について、メーカーの東芝に聞いてみた。

――ノートPCは通常、どのように放熱しているのか。
「冷却ファンを搭載しており、内部で発生した熱を本体外へ排出しています。また、静粛性を重視する場合は設定により、冷却ファンの回転を抑え、CPU処理速度を低下させて冷却することも可能です」

「さらに、当社の一部のモデルではシステムの温度監視を行う『東芝PCヘルスモニター』や、冷却ファンの診断を行う『東芝冷却性能診断ツール』を搭載しています。これによって、温度状況の確認や冷却ファンの性能低下がないかを確認することができます」

――オーバーヒートした場合、どの個所が故障することが多いのか。
「冷却ファン、CPU処理速度低下などのすべての排熱処理でも追いつかない場合は、自動的にシステムをシャットダウンして保護します。
ただしそれで、特定の個所が故障するということはありません」

――夏場、ノートPCが故障するケースは増えるのか。
「当社製ノートPCの修理実績やフィールドデータなどを分析しても、夏場に故障が増加するということは特にありません」

――夏場にノートPCを冷却する必要はないということか。
「通常の使用では熱処理の問題でシステムが故障することがないように設計しております。そのため、基本的には特に追加で冷却する必要はないと考えています。ただし、当社で保障している動作環境は、一部のモデルを除き、温度5~35度、湿度20~80パーセント(ただし、結露しないこと)です。この環境での使用をお願いいたします」

結論として、内蔵された冷却装置が健全な限り、ノートPCは外から冷却しなくても大丈夫ということだ。
ただし、35度を超える環境はダメ。クーラーが効いた部屋なら、真夏でも35度を超えることはないので安心だが、屋外に持っていって作業するのは危険かも。

モバイル性が向上したノートPCだが、なるべく涼しい場所で使ったほうが無難であろう。
(羽石竜示)