『魔法使いサリー』に『魔女っ子メグちゃん』、『花の子ルンルン』、『魔法のプリンセス ミンキーモモ』『魔法の天使 クリィミーマミ』etc……70~ 80年代までに登場した魔女っ子が大集合した夢のような本、『魔女っ子デイズ』。
7月の発売以来、周りで話題になっており、私も遅ればせながら手にとってみました。
ちなみに、私が子供の頃に夢中になったのは『花の子ルンルン』で、テーマソングの「いつかは あなたの住む街に いくかもしれません~♪」という歌詞から、本当にいつかルンルンが自分の街にきてくれる! と信じてずっと待っていた切ない思い出があります。
本書ではそんなかつての少女たちを魅了した魔女っ子たちの、魔法の呪文やコンパクトやステッキなどのグッズ、サブキャラまでをも網羅。眺めているだけで、「あの頃」の記憶がまざまざと蘇ります。

編著者の竹村真奈さんにそもそもの企画の成り立ちを伺ってみたところ、本書は現在、20代後半~30代の女性が少女時代に夢中になったものだけを一冊の本に詰め込んだ「Sweet Design Memories」シリーズの第三弾で、他にも『サンリオデイズ』や『おてがみデイズ』という既刊があるとのこと。

「少女時代を思い返しながら、このシリーズを制作するうえで“魔女っ子”の存在は欠かせないものだったのです。キラキラと光のヴェールに包まれて変身する彼女たちの姿はわたしの夢そのもの。
毎晩、自分のところにも可愛らしい妖精がやってこないかとドキドキしていたものです。これは私だけではないはず! 同年代の子たちと同じ思いを共有できればステキだなと思い、思い入れいっぱいに作らせていただきました」と、竹村さん。

また、竹村さん自身が特に思い入れがあり、多くのページを割いたのは『花の子ルンルン』と『クリィミーマミ』だそう。
竹村さんいわく、「クリィミーマミは、80'sの魅力が満載の作品。マミと優、一人の女の子なのにまるで違う女の子。そんな二面性にないものねだりな私はイチコロでした。
実は、昨年末に声優・太田貴子さんの生ライブにいったんですよ。マミのデビュー曲、『デリケートに好きして』を聴いたときは『懐かしい』とかいうような感情よりも先に、涙があふれて止まりませんでした」とのことで、そういえば表紙のカバーガールもマミですもんねー。今見てもほんとキレイで色っぽく、かわいいです。

ちなみに本書では『デリケートに好きして』と『パジャマのままで』の歌詞も紹介されているのですが、「女の子って好きと嫌いだけで普通がないの」とか「天使じゃないのよあなたのイメージで見ないで欲しい」とか、けっこう大人っぽい歌詞だったんだな~と新たな発見がありました! 少女時代は、ほとんど何も考えずに歌っていましたが……。

そんなこんなで、大人になった今だからこそライバルとの微妙な関係にもより深く共感できたり、魔女っ子たちが愛と勇気でピンチを乗りこえていく姿を自分と重ねてみたり……美しさ、優しさと強さ、恋への憧れなどなど、女の子の大切なものは今も昔も「魔女っ子アニメ」にギュッと詰まっているのかもしれないなぁ、としみじみ。いやホント、何時間眺めても飽きません。
同世代の女子同士でも大いに盛り上がれそうな一冊。
ちなみに、本書にはかわいいおまけアリ。魔女っ子ではないものの、ラストに『スプーンおばさん』がちょこんとのっけてあるそうなので、購入した人はぜひおばさんを探してみてください!
(野崎 泉)