するとどうやら、『珈琲は黒い魔女』とは福田珈琲株式会社という会社がつくってるプロ向けのブレンドのことらしい。そして、マスコットキャラの「マコちゃん」はあの手塚治虫氏のデザインなのだそうでびっくりです。いや、こんなにかわいいのに一般の消費者にあまり知られていないのは、やっぱり喫茶店等への卸がメインのメーカーさんだから? 生誕80周年で今ふたたび手塚氏の偉業への注目が高まる中、マコちゃんは知られざる幻のキャラといえるかもしれませんね~。
福田珈琲株式会社の現社長である福田正文氏にお話を伺ってみたところ、このマコちゃんというのは20年以上も前から同社の顔として活躍しているキャラクターとのこと。
「私の父(創業者)が手塚先生の同窓で、頼んだらすんなりOKだったそうです。当時、手塚プロは経営が苦しくて、大変だったようですね。景気がよかった頃は、マコちゃんをあしらったノベルティなども数えられないぐらいたくさんつくりましたよ。タオル、バスタオル、マグカップ、おしぼり、巾着袋、ダスターといったものですが」
な、なるほど、そんな経緯があったとは……。本社で原物を見せていただところ、買い占めたくなるほどにかわいい……当時もこれらのグッズはさぞ喜ばれたことだろうなぁ、と想像しました。
「これも、創業者が若い頃に読んだフランス文学の中のフレーズが強烈に心に残っていたのでつけたそうです」とのことで感心! いったいなんの本だったのかも気になるところですが、一度聞いたら忘れられないインパクトあるフレーズですよね。
余談ですが関東方面で『珈琲は黒い魔女』の卸を請け負っている関連会社が『魔女っこ・かんぱにー』という70年代ちっくな社名なのにもぐっときました。先日、ご紹介した書籍『魔女っ子デイズ』ではないですが、クリィミーマミやミンキーモモが、制服姿でかわいらしく働いているオフィスを思わず想像してしまった私……(が、もちろん違います)。
ちなみに、同社ではプロ向けだけでなく、一般の消費者向けにネット通販もやっているそう。実際に飲んでみたところ、かわいいだけでなく本当においしいコーヒーで感動しました!!短かった夏が終わり、ホットコーヒーがおいしい季節となってきた今日この頃。ビギナー向け「お試しセット」もあるので、あなたのお家にもマコちゃんに来てもらってはいかがでしょう?
(野崎 泉)