たまにいる、キーボードを打つ音がやたらとうるさい人。
仕事場で、学校で、家の中で、もうちょっと静かにやって! って叫びたくなるほど、カタカタッと強く激しく。
何か追い詰められてるようにも、イライラしてるようにも聞こえるから、周りにいると気分は良くない。

それと同時に、そんな強く打ち続けたらキーボードが壊れちゃうよ! って心配にもなる。あるとき突然、キーが利かなくなったり、取れちゃったりしないもんなのかと。

実際、キーボードって強く打っても平気なんだろうか? キーボードの耐久試験(打鍵試験)を行っている、株式会社コウデンに話を伺った。

「メーカーやキーボードの構造によってまちまちですが、1つのキーに100グラムから300グラムぐらいの加重をかけて、試験を行っています。人間が実際に使うときオンする(キーを打つ)加重は数十グラムですから、ある程度強く打っても耐えられるように作られてあります」

そっか、キーボードはそうそう壊れるもんじゃないもんなぁ。

この耐久試験、あるメーカーでは1つのキーにつき、200グラムの加重で500万回打っている。かなりの回数だから、24時間高速で打ち続けても1か月かかっちゃうほどだ。
ちなみに高速で打つから、実際の指よりも衝撃は強いんだとか。

「耐久試験でキーを打つ機械は、指でキーを打つスピードとは桁違いの速さなので、瞬間的な衝撃加重は指の何倍、何十倍だと思います。機械は、指に近づけたシリコンゴムで打ってますが、やはり人間が実際に使うのとは違いがあります。1000分の何秒のレベルですが、衝撃は瞬間的に2キロくらいかかってるかもしれませんね」

あと、常にカタカタうるさい人じゃなくても、決定のエンターキーだけ、タン! って強く打つ人もいる。
エンターキーに限らず、耐久試験では、キーによって打つ強さを変えてたりするんだろうか?

「たぶんそれはないです。もともと強めに試験しているので、どのキーも区別なくテストしていて問題ないかと思います」

確かに、普通の人より数倍の強さで試験してれば、わざわざ強さを変える必要はないか。

静かな中でカタカタ響く、キーボードの音。荒い鼻息や、貧乏ゆすりみたいに、本人はそのうるささに気付いてないか、気にしてないことが多い。それがその人のリズムだったりもする。
ただ、周りにとっては結構迷惑なので……思い当たるフシがある人は、一度自分の音に気をつけてみてください。
キーボードは壊れないようにできているけど、周りの人の神経が壊れかねないので。
(イチカワ)