また、核家族化の影響もあり、ご飯も「少量を炊く、あるいは長時間保温するよりも『多めに炊いて冷凍・解凍』」のほうが美味しい」というのは、一般的な考え方になってきた。
自然、冷凍庫の重要性は高まり、近年製造されている冷蔵庫は、位置も大きさも「冷凍庫」がいちばん重視されるようになっていると、家電メーカーの人から聞いたことがある。
だが、その一方で、冷凍しておいた食品を解凍したとき、冷凍庫のニオイが気になった……なんて経験、ないだろうか。
あのニオイ、いったい何なのか。どうしてつくの? 家電製造の関係者に聞いた。
「あくまで推論ですが、冷蔵室や冷凍室の独特のニオイは、保管する食品がニオイを放つのが原因だと思われます」
でも、冷蔵はともかく、冷凍状態でニオイが拡散するということ?
「冷蔵庫よりも冷凍庫のほうが、温度が低いので、もちろんニオイをある程度抑えられてはいるのですが、発するニオイが強ければ充満してしまいます」
どのようにニオイがつくのだろうか。たとえば、霜とりをしていないと、霜にニオイがしみついてしまうとか?
「冷蔵庫・冷凍庫ともに、密閉された空間のため、プラスチック表面にニオイがしみついているのではないかと推測されます。冷凍庫の場合、霜がついているように見えますが、それをとかすと表面を覆っているのはプラスチックですから」
では、冷凍庫・冷蔵庫のニオイを食品につけないためには、どうしたら良いのか。
「食品をラップやポリ袋でしっかりとくるんで保管するのがいちばんです。特に、ニオイの強い漬物・生魚などの包装をきちんとしないと、ニオイがつきやすくなりますよ」
さらに、冷凍庫に食品を長期間入れておくと、冷凍庫の開閉によって庫内の温度が急激に変化し、食品の表面についた氷が蒸発・乾燥して、「冷凍焼け」といわれる白っぽい状態になる。
つまり、この「庫内の温度変化を少なくすること=冷凍庫の開け閉めの回数をできるだけ減らす&素早くすること」なども、冷凍庫独特のニオイを軽減させる工夫につながるという。
もちろん冷凍庫・冷蔵庫用の脱臭剤もあるので、それらを利用するのも手だが、日々の使い方によって改善できる余地はある。
気になる人は、冷凍庫・冷蔵庫の開閉時について、また、食品の保存方法を見直してみては?
(田幸和歌子)