「若い時は肉が好きだったけど、歳をとるごとに魚派になっていく」なんてよく聞くが、私は初めから魚派だった。特に、焼き魚をバリバリ食べるのが幸せというか。


ただ、ひとつ気をつけたいのは食べ方が汚くならないようにすること。あれには性格が表れてるから、油断できない。
もう一つ、気をつけたいのは魚の小骨である。

実は、それらを解決してくれるお箸があるのだ。それは、箸の製造販売を行っているメーカー「兵左衛門」から発売されている『焼魚の箸』のこと。

このお箸、その名の通り、焼き魚を食べるために製作されたお箸。では、普通のお箸と何が違うのか?
まず、箸先がちがう。細いのだ。そのサイズ、なんと1.5ミリ。この細さが何に役立つというと、細いだけに魚の小骨をつまみやすい。「めんどくせー!」と骨ごと食べるのも全然オッケーだが、「私、デリケートだから骨なんて食べられない」なんて人には待望のお箸だろう。この細さで、丁寧に取ってしまえるから。


ただ、あんまり細過ぎるのも不安だ。何かの拍子にポキッと行っちゃいそうな気もするから。でも、このお箸は竹の繊維に沿って削ってあるので大丈夫。折れにくい。

と、クドクド言うよりも“論より証拠”。実際に、このお箸で「さばの塩焼き」を食べてみました。
いざ使ってみると、普段使っている普通のお箸とは何となく感触がちがう。思い通りに動く自分の手先が、もっと向こう側まで伸びたような。食べ進めていくと、当然出てくる魚の小骨。これをつまむのだが、この作業が我ながらキメ細かくできる。今までのお箸が、妙に“大味”に感じてきた。
魚自体に対しても、抜群のほぐしやすさを発揮。
箸の持つ部分は太いので、操るのも自由自在でした。

このお箸、魚の食べ方に慣れていない若者たちが好んで買っていくかと思いきや、主な購入層は年輩の方が多いという。それはそうか。魚を食べるのは、年輩の人の方が多いのだから。

また『焼魚の箸』と銘打っているものの、普段使いの箸としても問題ナシだ。他の使い道としては、細かい物がつまめるので、小さい物の多い懐石料理も上手にとれる。綺麗にまとまって出されることが多い懐石だが、その形も崩さないで、お皿もキレイなまま。

この『焼魚の箸』は、兵左衛門の直営店の兵左衛門広尾店、ホテルオークラ店(1/20オープン)や、箸専門店である「銀座夏野」百貨店の和食器売り場などで購入することができる。価格は1,575円(税込み)。

ちなみに、このお箸が開発されたきっかけを、同社の担当者に伺った。
「最初は、当社のスタッフの中にうどん好きがいたんです。そのスタッフが、個人的に“うどん用”の箸を作っていたので、それを商品化したところ、評判が良かったんです。
そこから“~用の箸”を製作していくようになったんです」
その一環として、この焼魚用の箸が誕生した。他にも、そば用、パスタ用、刺身用……と、次々に商品化。
これからも、兵左衛門から生まれる、様々な専用箸の行方を追っていきたい。
(寺西ジャジューカ)
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