ものを食べるのが面倒になり、風呂にも入らぬまま何日も同じ格好でいつづけ、このままでは確実に生活が破綻する! という懸念からテレビゲームを卒業した私だが、ドラゴンクエストのリメイク版をDSでプレイしている友達をみて、その世界観を懐かしく思い出した。

友人は敵を倒し、ドラクエの通貨である「ゴールド」を集め、高価な装備を揃えようとしているところだった。
まだ何百ゴールドか足りないというのを聞き、あちらの世界の物価って、日本円に換算するとどれぐらいなんだろう? と、気になり始めた。

いくつかのアイテムの価格を調べ、それと同様の物が現在の日本ではいくらで売られているかを調べれば貨幣価値がわかってきそうだ。

友人がプレイしていたのが「ドラゴンクエストVI」だったので、それを例にとり、ゲーム内のアイテム価格を調べてみたが、日本円との比較が難しいアイテムばかりだ……。RPGの世界のアイテムの多くは、現実世界では手に入りにくく、そのため高価になってしまう。例えば武器や防具。「どうのつるぎ」や「かわのよろい」は、ゲーム内では比較的安い部類に入るが、現代日本で、いや日本ばかりではなく、それらを手に入れようとすれば、かなりの金額が必要となるだろう。

逆もしかりで、「あみタイツ」や「ちょうネクタイ」といった、我々にとってはわりと手に入れやすいアイテムが、ドラクエの世界では高額で売られていたりする。

前置きが長くなってしまったが、そこら辺を踏まえ、RPG世界と現代世界との間で価値の差が大きくなさそうな、普遍的なアイテムを比較対象に選んだ。まずは最低ランクの防具として登場する「ただのぬのきれ(25ゴールド)」だ! 体を覆うことのできる布切れをイメージし、「3mの布生地」の価格相場を調べてみたところ、手芸オンラインショップ5店舗の平均で1680円という価格が出た。ちなみにショップ内で一番安い布を選んでいる。この結果で言えば、1ゴールド=67.2円となる。

次に、超定番の回復系アイテム「やくそう(8ゴールド)」をチョイス。
現実界では生薬・漢方薬の通販サイトを探してみるも、種類によって価格がピンキリ。一番安いものをデータとして採用することにすると、「薬草50g」の5店舗での価格平均は1396円。1ゴールド=174.5円と、いきなり結果に相違が……。

わらにもすがる思いで、防具系アイテム「ヘアバンド(150ゴールド)」を対象に再チャレンジ。ここでもやはり、異なる通販サイト5店舗の平均を計算し、1772円という数字にたどりついた。で、1ゴールド=11.8円となった……。だめだ! アイテムによって全然違う!

無理やり、上記の3つの数字の平均値を計算してみると「1ゴールド=84.5円」。あまりに、自信のない数字だが……。ご意見お待ちしております!

収まりのつかないまま、もう一つの名RPGシリーズ「ファイナルファンタジー」でも検証してみることに。こちらの通貨は「ギル」。先ほどドラクエ「6」を対象にしたので、「FINAL FANTASY VI」で試算。

ゲーム内のアイテム価格を調べると「テント(1200ギル)」が見つかった。
FFの世界ではプレイヤーたちのHP/MPを全回復してくれるアイテムだ。これまでと同様の流れで出た現実界の平均価格が2万386.8円。よって1ギル=16.9円となった。

「寝袋(500ギル)」というアイテムもあったので検証すると、リアル平均価格6740.2円という額から、1ギル=13.4円という数字が出た。前述の数字との間をとって「1ギル=15円」と考えられる。2アイテムの検証のみだが、こちらは誤差が小さく、なんとなくすっきり。

みなさんもこれからRPGをプレイする際は、ぜひお金の価値について考えてみてください。冒険の世界が、グッと生活じみてきますよ!
(スズキナオ)
編集部おすすめ