プロ野球観戦の楽しみの1つは、美味いビールが飲めることと、ビール売りのお姉さんたちの笑顔、なんて人もいるのでは?

ところで、野球観戦に行くと、最近、ちょっと気になるのが、ビールの売り子さんの「帽子のかぶり方」だ。

東京ドームでも、神宮球場でも、横浜スタジアムでも、かつてはメーカー(商品)ごとの帽子を普通にかぶっていた売り子さんたちが、いまは違うかぶり方をするのが主流になっているように見える。


どんなかぶり方かというと、帽子を半分に折り、頭にのせて、ピンなどで留めるというもの。パッと見、サンバイザーをかぶっているように見えて、実に可愛らしい。

ところで、なぜこの帽子のかぶり方が主流になってきたのだろうか。
ビール会社何社かに聞いてみたところ、こんな回答をもらった。

「球場の売り子さんは、球場が派遣会社に依頼したり、委託を受けて酒屋さんが採用したりと、場所によって雇用形態が違っていますので、把握しておりません」
「売り子さんに関しては派遣会社などの採用になっています。帽子のかぶり方や制服の着方などをメーカーが指定することはありません」

そこで、東京ドームに聞いてみると、こんな説明をしてくれた。
「ビールの売り子さんの帽子のかぶり方は、おっしゃるように、確かに今は帽子を半分に折り曲げて頭にのせるとパターンが多くなっています。いつ頃からこのようになったのかは定かではありませんが、いくつかの理由がありまして」
というと、どんな理由が? 
「一つは、自分をアピールするためということ。もう一つは、女性ですと、どうしても髪をしばったりすることもあるのですが、帽子をかぶるとなると、ポニーテールスタイルにするしかないということがありますね。誰が始めたものかはわかりませんが、髪型のアレンジをしやすいよう、オシャレの一環として始まったもののようです」
帽子を普通にかぶるよりも、半分に折った帽子を頭にのせるほうが、顔が見えやすく、明るく見えるといった効果もあるのかもという。

ところで、このかぶり方について、担当者はこう漏らしていた。
「かぶり方の指導は特に球場ではしていませんが、基本的には『正しくかぶりましょう』といっています。
でも、いつの頃からかこうなってしまったんです(苦笑)。やはり本来はきちんとかぶらなければいけないものなので、呼びかけてはいるのですが、注意まではしていません。どうしても自分をアピールしながら商品を売っている以上、これが一つのアピール。正しいかぶり方を強制するまではしていないんです」

球場としては、あくまで制服や帽子は「正しく着用する」ということを勧めているようだが、オシャレのために変わってきた帽子のかぶり方。

正しい制服の着方よりも、短いスカートのほうが可愛く見えるようなもの? 観客が見る分には、いまのこのかぶり方、可愛くて好印象ではあります。
(田幸和歌子)
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