だからこそ、コレを平らげる場面を見せつけたい。
東京都国立市にある「深川 つり舟」(TEL:042-576-9910)で出される「かき揚げ丼」なるメニューが、生まれて初めての衝撃。生まれて初めてのボリュームなのだ。これを攻略したら、どんなにカッコいいだろうか。
画像を見ていただきたい。あまりにも常軌を逸する。重さは5キロ。高さは38センチ前後。そして、乗っかったかき揚げは36枚! なんだ、これは。
こんなサービスを始めたきっかけを、お店のご主人に伺った。
「開店当初(21年前)は、3枚のかき揚げを乗せておりました。ただ、店の近所には一橋大学があり、大学の体育会系の子たちがよく来店するんですね。
3枚が6枚に、6枚が9枚に、9枚が12枚に……。かき揚げ丼が完食されるたびに、更新されていくかき揚げの枚数。それが21年の年月を経て、ついに36枚という境地に行き着いた。店の歴史とお客さんの胃袋によってたどり着いたステージである。
そして、36枚に更新されたのは今年の4月27日。完全に昨日今日の出来事。「36枚になって、今日が初めての取材ですよ!」とご主人から教えていただいたが、光栄以外の何者でもない。
だからこそ、今日は頑張りたい。早速、私もチャレンジしてみました。
食べてみると、こんな手垢にまみれた表現はしたくないのだが、本当にうまいのだ。見た目のインパクトばかりに気を取られ、肝心な味をおざなりにする店だってあるかもしれない。しかし、この店は次元が違う。
「コレ、俺行けちゃうな」と思ったのも束の間、4枚を越えたあたりから様子がおかしい、俺の。正直、お腹いっぱいになってきた……。そこからは踏ん張りを見せたつもりだが、8枚で白旗を揚げた。なんだ、この体たらくは。
「これを残すのはもったいないんじゃないか」と思った方、ご安心ください。残りのかき揚げはお店の方で包んでくれて、持たせてくれます。「ご飯に乗せたり、そばに入れたりして食べてください」というご主人の優しいお言葉に癒される。
そして、かき揚げ丼を食べる際には上からタレをかけない。なぜなら、持ち帰ってから色々な食べ方をしてもらうには、タレをかけてしまったが最後、食べ方のバリエーションが狭められるから。だからこそ、店内ではタレや天つゆ、塩などを傍らに置いて、それをつけながらいただくのだ。
しかし、話を聞くと1人でチャレンジすることが無茶だった模様。そんな人は滅多におらず、ほとんどが4~5人で分け合って食べるお客さんばかりらしい。
ちなみに、このかき揚げ丼は1,000円! このボリューム、このクオリティで1,000円。4~5人で力を合わせて食べたとしても1,000円。もう、優しすぎるだろ!
あと、気をつけていただきたいのは、かき揚げ丼は前日までの完全予約制。「作るのに40分くらいかかっちゃうんですよね」(ご主人)とのことで、材料と手間を贅沢にかけた逸品なのだ。
その甲斐あってか、週に5日は予約が入るほどの人気を誇っているメニューになっているらしく、まさに国立名物。
これは、ぜひ体験していただきたい。彼女と2人でチャレンジするのもいいだろう。
(寺西ジャジューカ)