今から約30年前、1981年に発売された「キャベツ太郎」。

1年後の1982年に発売された「もろこし輪太郎」や、その前後に発売された「玉葱さん太郎」と比べて何かと謎が多いのは、駄菓子好きにはおなじみの話。


例えば、もろこし輪太郎は原材料がとうもろこしで、とうもろこしのキャラクターが描かれている。玉葱さん太郎には、玉ねぎ粉末が入っていて、玉ねぎのキャラクターが描かれている。
でも、キャベツ太郎にはキャベツが入っていない。原材料は他と同じとうもろこしで、表面の緑色のつぶつぶは青のり。キャラクターに至っては、キャベツとは縁のないカエルの警官が起用されている。

謎だらけのキャベツ太郎。
そのため、特にキャベツとの関係について、ネット上では様々な憶測が渦巻いている。

「丸い見た目がキャベツっぽいからキャベツ太郎だ」
「キャベツにソースをかけるから、キャベツ太郎はソース味になった」
「あの青のりで、キャベツっぽく見せている」

しかしそのあたり、メーカー側からの公式発表はない。かん口令が敷かれているかのように、情報もなかなか漏れてこない。

そんな中、駄菓子について詳しい関係者から、キャベツ太郎の由来について、信憑性の高い情報を得ることができた。情報源を明かさないという条件のもと、あくまで諸説ある中の有力説として、教えてくれた。
「キャベツ太郎は、確かに“キャベツっぽい”ことから、名付けられたようです。
ただし、青のりが入っていたり、ソース味になったのは、キャベツを演出するためではないみたいです。もともと、あの丸くて青のりが散りばめられた、ソース味の駄菓子ができていて、それが総合的にキャベツっぽいことから、キャベツ太郎という名前がついたらしいんですよ」

ちなみに、どうしてキャラクターはカエルなんでしょう?
「これにも諸説ありまして、メーカーの所在地がガマガエルで有名な筑波山に近いことや、カエルが幸せの生き物であることから描かれているなどと言われています」

では、なぜカエルは警官?
「これは不明のようです」

もしかして、このカエルがキャベツ太郎?
「いえ、特に名前はないみたいですが……そこは何とも……」

そう歯切れの悪い答えをすると最後、何かを気遣うかのように、話したすべての内容について念押しした。
「私が聞いた情報は確かなはずですが、必ず正しいとは言い切れません。発売が30年も前で、当時の資料が残っているわけでもないそうなので……」
なるほど。ウワサレベルが多いのは、そういうことも関係してるんだろうなぁ。

愛するものが持つ謎は、魅力になる。
その謎を解き明かそうとすれば、のめり込んでいく。そんな、キャベツ太郎の甘い罠。
甘いソース味とともに、ハマったら抜けられない謎だったみたいです。
(イチカワ)