気温の上がった今年の夏。それに釣られたわけではなかろうが、日本円の価値もずいぶん上がっている。
この夏、海外へ旅された方も多いのではなかろうか。

ところで、海外で日本の電化製品を使う時に注意したいのが、電圧の違い。日本のコンセントの電圧は100V。世界の中では最も低いと言ってよく、多くの国は220V~240V。だから、海外で日本の電化製品を使うには、コンセントの形を変える変換プラグと一緒に、電圧を下げる変圧器が必要になる。

はずなのだが、最近、変圧器のいらない電化製品が増えているようなのだ。
筆者の旅したノルウェー、イギリス、エジプト。電圧は230V、240V、220Vだが、デジカメも携帯電話も、変換プラグだけで充電できた。

家電量販店での調査、メーカーへの取材などから次のことがわかった。
○電動シェイバー……店頭のおよそ3分の2の製品が、変圧器不要の100~240V対応
○携帯電話の充電器……我が家の2台のうち、1台は100~240V対応、1台は100V専用。100~240V対応が増えている様子
○ノートパソコン……2社の製品を調べたところ、数年前の機種には100V専用のものが少なくないが、最近発売のものはほとんどが100~240V対応
○デジカメ充電器……大手2社に聞いたところ、現在販売中のものはすべて100~240V対応

ということで、最近の製品の多くが100~240V対応になっており、海外でも変換プラグだけで使えるようだ。我が家の携帯電話の場合も、海外対応の充電器が別売りで安く手に入りそう。
変圧器を買うよりもお得なようだ。

ひとつ注意しておきたいのは、充電器やACアダプターに、「本体」と「電源コード」の2つに分離できるタイプがあること。本体が100~240V対応でも、電源コードが125V以下の規格の場合があるのだ。実は、筆者のデジカメ充電器がこのタイプ。電源コードは余裕を持って作られているので、古かったり傷んでいたりしていなければ240Vでも大丈夫だと思う(筆者は一度もトラブルに遭っていない)が、自己責任ということになるので、心配な人は電源コードを交換しておくとよい。

最後にもうひとつ。
ここまで触れてこなかったドライヤーについて。
残念ながらドライヤーは例外。家電量販店で調べたところ、ほとんどが100Vの国内専用品だった。海外で使うには、ドライヤー本体より重たい変圧器が必要になる。どうしてもという人向きには、海外対応のドライヤーを買っての渡航をオススメする。
(R&S)