見てくださいこのキュートな女の子! まるで雑誌かと勘違いするクオリティなのですが、下の方には、おや、文楽の人形が……?
彼女の名前は瑞浪Mio(ミオ)ちゃん。岐阜県瑞浪(みずなみ)市にある瑞浪市化石博物館のキャラクターです。

21世紀になってから様々な地域でいわゆる「萌えキャラ」や「ご当地キャラ」をマスコットキャラクターにする地域が増え、話題になりました。しかし瑞浪市の瑞浪Mioちゃんは一味違います。彼女、いわゆるマスコットではなく、文化の案内人として作られているようです。
あまりのかわいさと、ちょっと変化球なこの企画に興味がわき、早速瑞浪市化石博物館に問い合わせてみました。

彼女は瑞浪市に住む13歳の女の子。化石が大好きでデスモくんと一緒に瑞浪市の色々な場所に化石を採りに行っているそうです。
デスモくんは瑞浪市からも産出が報告されている絶滅哺乳類のデスモスチルスがモデル。デスモくんの悩みは恐竜とよく間違えられること、だそうです。
Mioちゃんが生まれた最大の目的は、市の子供たちに化石や瑞浪市の文化を伝えることだそうです。

左にある雑誌風のイラストは、町の文化を伝える小冊子になっています。これが瑞浪市の小中学生全員に配布されるそうです。 市の教育委員会と組んで、実際に町の教材として萌えキャラが起用されるというのは、かなり珍しい……いや初じゃない?!

今回は人形浄瑠璃のイベントに向けて興味を持ってもらうように、パンフレットの中身は学習漫画になっています。
ああ懐かしい、学研なんかのノリそのままです。

確かに真面目な文化資料も大事ですが、そういうのってなかなか読まないじゃないですか。でもこんなに目を惹くキャラクターならゴミ箱に捨てること無く、綺麗にたたんでランドセルに入れて持って帰りたくなりませんか。少なくとも小学生の記憶に残ることは間違いなし。
Mioちゃんには「キャラクター販売だけのために作っているわけではない、あくまでも子供たちへの文化を伝える活動の一環」という意向が強く込められているようです。彼女は「瑞浪市に住む化石好きの13歳の女の子」という部分以外あえて設定されていません。
二次創作はOKかという問いには、「公序良俗に反する使用以外は大丈夫です」とのこと。

マスコットではなく「この町に生きている子」となっているため、今後彼女がメインとなる物語が別の方面で展開する可能性も大きいようです。これは展開次第ではなかなか面白いことになりそう! 

さて、それにしてもやっぱりこのキャラかわいすぎだろ! 自分はアニメマンガ大好きですが、ちょいとこれは「適当に萌えキャラっぽいの作りましたー」というレベルではないと思うのですよ。かなり計算して「オタク層に受けるもの」と「子供が好きなもの」と「学習用キャラ」の中間を狙い撃ちしたデザインなんじゃないでしょうか。

キャラクターデザイン及び漫画を描いているのは漫画のプロ活動もされているringo氏、キャラクターを練り上げているのは京都大学の院生や化石博物館の学芸員。様々な視点から育て上げられているこのキャラ、今後も様々な場所で瑞浪市を紹介しながら飛びまわる水先案内人になるそうです。
一発ネタではなく、これからも積極的にパンフレットの作成なども継続して行われるとのこと。

うーん、地元に根付いた博物館づくりと、イラストのキャッチーさによる知名度アップ。新しい地域文化活動として、こういう柔軟な発想はなかなか興味深いですね。

個人的には、ここまでかわいいのだから、キーホルダーなどMioちゃんグッズをばしばし販売してほしいですな! あるいは化石博物館ですから、Mioちゃん印の化石採取グッズや化石ケースみたいな実際に使えるものはどうでしょう。化石採取の時にメモする文具も欲しいな!
Mioちゃんと化石を掘りに行きTAI! (たまごまご)