「エビデンサー」という聞き慣れない職業。エビデンサーとは、問題を会計士的な知識や、法律家の知識を網羅して、問題を解決する証拠調査士のことです。
一般的な探偵と違うのは、揉めごとや裁判がクライアント側にうまく片付くように証拠を集めるところ。そんなエビデンサーの需要が増えているのかを、エビデンサーに聞いてみました。

「最近、エビデンサーの需要は増えています。不況なのに、増えているのも不思議なのですが、個人というより、企業からの依頼が増えています」とエビデンサーの平塚さん。
なんでも仕事が増えすぎて、個人向けのものはひどく難解なものだけを扱っているそう。だいたいは紹介してくれる弁護士や警察でなんとかできるものが多いのだそう。

では、企業からの依頼って経営者の身辺警護とかですか? と言いかけたところ、「身辺警護ではなく、知的財産の保護ですね。いわば法務部的な仕事です。弁護士では特許を取るとか商標を取るような仕事はしてくれるのですが、実際はそれでは足りないことを企業がわかっていないんです」と平塚さん。

「たとえば最近増えてきた医療機関の依頼には、経営コンサルタント的な事前の危機管理が必要なのです。クレームが起きてから処理するのでは遅い。クレームが起きる前に対処しておきたい警察と弁護士の準備や、そのための決まりを決めておく」ことがエビデンサーとしての仕事だそうです。


他にも最近、中国企業の依頼が急増しているその背景には、「海外では調査会社がありますが、日本には探偵以外に調査してくれるところがない」といった理由があります。なんでも「海外で調査会社といえば、戦略的にコンサルする職業で、日本の調査とは本質的に意味が違います。調べるだけでなく戦略を立てなければいけません」とのこと。

日本ではエビデンサーと言える人が平塚さん以外にはいないそう! それは忙しいのも当然ですね。現在は、企業の法務部にいた人、探偵、弁護士、公認会計士などメンバーを増やして対処しているそうです。

いろんな知識を網羅して、人を助けられるなんてドラマの中のスーパーヒーローみたいですね~。
(カシハラ@姐御)
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