ロックフェスの出演者の一覧とか、歴代ヒーロー大集合的なものとか、名前の並びを見るだけワクワクすること、あるかと思う。「スゲー、○○も、☆☆もいる! おっ、△△も!」的な。
この本の執筆者の一覧に、同じような高揚感を感じた。
東海林さだお、弘兼憲史、やくみつる、国友泰之(やすゆき)、さそうあきら、けらえいこ、大川清介、ラズウェル細木、現代洋子、カトリーヌあやこ、日高トモキチ、モリナガ・ヨウ……。
まだまだ。「深夜食堂」の安倍夜郎に「桃伝シリーズ」の土居孝幸がいる。「弁護士のくず」の井浦秀夫がいれば、「ポンキッキーズ」のコニーちゃんでおなじみ、きはらようすけも。
さらに。ドラクエの堀井雄二に、コラムニストの山崎浩一や堀井憲一郎も……(以上順不同)。豪華フェスだ。
この顔ぶれ、みんな早稲田大学漫画研究会出身者なのである。早大漫研創立55周年を記念して発行されたのが、「早稲田OB漫」だ。
もちろんラインナップがスゴいだけじゃない。驚きなのは、今回自費出版で制作されたのこの一冊のために、参加者の多くが作品を描き下ろしていること(一部再録作品もあります)。
力の入った作品だらけ、それなのに原稿料は「ナシ」。これはもう、参加者それぞれが持つ漫研愛以外の何ものでもない。
早稲田の漫研が発行する冊子「早稲田漫」、そのOB版があったらなと、今回の執筆者の一人であり、この企画の発案者、本の編集発行人をつとめたイラストレーターのアサミカヨコさんが、ツイッター上でつぶやいたことが、きっかけだった。あっという間に(「ものの10分で」、とのこと)数名のOBからリプライがあり、本づくりが決定した。
そこから約7カ月、様々な世代のOBたちに連絡とって、お願いして、原稿集めて、編集して(当然編集スタッフも漫研OBなので、自分も描く)……な日々。大変そうだがすごく楽しそうにも思える。そう、収録された作品を見ると、みんな、学生時代・漫研時代に戻っちゃってるような、ノビノビ感みたいなものがあふれかえっている気がする。だから、早大と縁もゆかりもなくても、読んでてとても楽しい。これもまた、「愛」があるからか。
「学生時代に戻るというよりも、みんな、学生の時の気持ちのままだったんだなという感じかな」(アサミさん)
あらためて「55年」というのはスゴい。アサミさんが言うには、創立当初は、
「ヒトコママンガが主流の時代から、ようやくコマワリのマンガに移りはじめてきた時代」
だとのこと。藤子不二雄や赤塚不二夫、石ノ森章太郎らトキワ荘の面々がデビューしたころである。
マンガだけでなく、漫研草創期の話や、座談会など、マンガ以外の読み物も興味深い。
55年ぶんの漫画の歴史、感じられる一冊です。
(太田サトル)
この本の執筆者の一覧に、同じような高揚感を感じた。
東海林さだお、弘兼憲史、やくみつる、国友泰之(やすゆき)、さそうあきら、けらえいこ、大川清介、ラズウェル細木、現代洋子、カトリーヌあやこ、日高トモキチ、モリナガ・ヨウ……。
まだまだ。「深夜食堂」の安倍夜郎に「桃伝シリーズ」の土居孝幸がいる。「弁護士のくず」の井浦秀夫がいれば、「ポンキッキーズ」のコニーちゃんでおなじみ、きはらようすけも。
さらに。ドラクエの堀井雄二に、コラムニストの山崎浩一や堀井憲一郎も……(以上順不同)。豪華フェスだ。
この顔ぶれ、みんな早稲田大学漫画研究会出身者なのである。早大漫研創立55周年を記念して発行されたのが、「早稲田OB漫」だ。
もちろんラインナップがスゴいだけじゃない。驚きなのは、今回自費出版で制作されたのこの一冊のために、参加者の多くが作品を描き下ろしていること(一部再録作品もあります)。
プロアマ入り乱れ、参加者80余名。その中には、漫画を描くこと自体が久しぶりな人も少なくない。堀井雄二の描いたマンガなんて、初めて見た。
力の入った作品だらけ、それなのに原稿料は「ナシ」。これはもう、参加者それぞれが持つ漫研愛以外の何ものでもない。
早稲田の漫研が発行する冊子「早稲田漫」、そのOB版があったらなと、今回の執筆者の一人であり、この企画の発案者、本の編集発行人をつとめたイラストレーターのアサミカヨコさんが、ツイッター上でつぶやいたことが、きっかけだった。あっという間に(「ものの10分で」、とのこと)数名のOBからリプライがあり、本づくりが決定した。
そこから約7カ月、様々な世代のOBたちに連絡とって、お願いして、原稿集めて、編集して(当然編集スタッフも漫研OBなので、自分も描く)……な日々。大変そうだがすごく楽しそうにも思える。そう、収録された作品を見ると、みんな、学生時代・漫研時代に戻っちゃってるような、ノビノビ感みたいなものがあふれかえっている気がする。だから、早大と縁もゆかりもなくても、読んでてとても楽しい。これもまた、「愛」があるからか。
「学生時代に戻るというよりも、みんな、学生の時の気持ちのままだったんだなという感じかな」(アサミさん)
あらためて「55年」というのはスゴい。アサミさんが言うには、創立当初は、
「ヒトコママンガが主流の時代から、ようやくコマワリのマンガに移りはじめてきた時代」
だとのこと。藤子不二雄や赤塚不二夫、石ノ森章太郎らトキワ荘の面々がデビューしたころである。
マンガだけでなく、漫研草創期の話や、座談会など、マンガ以外の読み物も興味深い。
55年ぶんの漫画の歴史、感じられる一冊です。
(太田サトル)
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