彼らがこの呼びかけを始めたのは、「ウナギが一番おいしい季節は冬」であるから。そう、ウナギの旬は冬なのだ。『うなぎのまち岡谷の会』会長の今野さんによると、ウナギは寒い時期を乗り越えようと脂をたくさん蓄えるため、冬にさばくと手がつやつやになるほど脂がのっていて、身もやわらかくおいしいという。そもそも夏の土用丑の日に食べる習慣は、幕末の学者・平賀源内が、夏に売れないというウナギ屋に薦めた宣伝方法が大当たりしたのが始まりと言われている。それに、ウナギは夏バテ予防に良いとされるビタミンを豊富に含んでいるため、夏に食べるのも理にかなっているのだが、ウナギ屋としては、「夏はビタミン補給で夏バテ防止、脂がのる冬は味で勝負!」(今野さん)といきたいわけだ。
冬がおいしいのに売れないという状況を打開し、また、岡谷市の活性化にも役立ちたいという『うなぎのまち岡谷の会』。2003年には「寒の土用丑の日」を商標登録までしている。
「子どもからお年寄りまで年代を問わず、岡谷のうなぎ、冬にもうなぎが定着するように、地元をまずしっかり固めて、活動をまわりまわりへと広げていきたい」と今野さん。消費者としても、せっかく旬を迎えているウナギを食べないのはもったいない! 今年の「寒の土用の丑の日」は、ぜひウナギを食してみてください。
(ミドリ)