それは、「焼きうどん」が9位に入っていて、「焼きそば」はベスト10以内に入っていなかったこと。
“食べものとしてのメジャー度”は、焼きうどんよりも焼きそばのほうが圧倒的に上だと思う。
でも、そういえば、カラオケや居酒屋、スナックなどでは「焼うどん」を食べる人が多い気がする。なぜなのか。
焼きうどんを提供している都内のスナック経営者に聞いてみると、
「焼きそばよりも、焼きうどんのほうがあっさりした醤油味で、ヘルシーなイメージがあるから、女性も喜ぶということ。お酒に合うこともありますね」とのこと。
続いて、六本木のカラオケバーの経営者はこんな話をしてくれた。
「焼きそばか焼きうどんか、周囲の居酒屋、スナック、バーなどの人たちに聞いてみたところ、実は『焼きそばだろう』という声と、『焼きうどんだろう』という声が半々でした。ただ、うちの店では、料理はすべて近所の居酒屋などから出前でとっているんですが、焼きそばを扱っている店のほうが圧倒的に多く、焼きうどんを扱っているのは小さな居酒屋とお好み焼屋さんの2軒だけなんですよ。全体的に、どこの店にも確実にあるのは焼きそばで、焼きうどんは場所が限られている印象がありますね」
確かに、焼きそばに比べ、焼きうどんがメニューにある店は少ないだろう。それだけに、焼きうどんがある少数の店では「焼きうどんを食べる」人が目立つように思うのだろうか。
では、焼きうどんがある店はどんな店なのか。
「焼きうどんがある店は、ママがいて、若い子が2~3人いるような、個人経営のこぢんまりしたスナックに多い印象があります。
「スナック的なお店に焼きうどんが多い」という指摘は、他に複数名の飲食関係者から聞かれた。
ところで、焼きそばでなく、「焼きうどん」をよく食べる人たちの理由とは? 周囲の「焼きうどん派」に聞いてみると、以下のような意見が挙げられた。
「焼きうどんのほうが、あっさりした味だから、お酒に合う気がする」
「焼きうどんのほうがモチモチしていて、食感が良いから好き」
「焼きそばはソースの味が濃いから、飲んだ後のシメとしては強すぎる気がする」
「焼きうどんのほうが消化に良さそうだから」
もともと終戦直後に福岡県小倉市の「だるま堂」の初代店主が、関西で流行していたソース焼きそばを作ろうと思い、中華そばの麺が手に入らなかったことから、干しうどんを湯がいて焼いたのが、焼きうどんの始まりと言われている。
でも、スナックや居酒屋などでは、「キムチ焼きうどん」「明太子焼きうどん」などのバリエーションがあったり、あたたかいうどんがあるところもある。ママがチャチャッと作れて、応用がきくことから、うどん玉が常備されているということなのだろうか。
焼きそばと焼きうどん、どちらがお好みですか。
(田幸和歌子)