ぼくは「けいおん!!」に出てくるドラムの田井中律って子がすごい好きなんですよ!
そりゃあもうラブですよ。
だがしかし。「律はオレの嫁」とは言いません。
言わないよ。
だって「律は澪(ベースの子)の嫁」だからね!
異論は認める。
あ、澪は律の嫁です。
何を言ってるかわからん、という人がいらしたら。えーと。それでいいと思います。
「そのとおり!」という人がいたら、握手してください。
別にこの二人の女の子、無論本当に結婚しているわけでもなければ、別に事実としてラブラブカップル状態が描かれているわけでもないです。
しかし女の子達が仲良くしているのを見るとカチリとスイッチが入って「この二人ラブラブだな!」と興奮してしまうのですぼかぁ。
だから「プリキュア」を見たら毎回「この子とこの子がやっぱりラブラブだよな!」とかスイッチオン余裕です。スイートはもちろん響×奏。ハートキャッチはつぼみ×えりかで、フレッシュはせつな×ラブ。
今熱いのは「魔法少女まどか☆マギカ」のほむら×まどか、通称「ほむまど」です。そういう視点で見るとほむらちゃんの行動が毎回まどかのことを(以下略
失礼しました。
こういう、仲のよい女の子同士を見ているとスイッチ入っちゃうような作品の楽しみ方もあるのです。これを今は一般的に「百合」と呼ぶようになっています。以前も「セーラームーン」や「ウテナ」などを中心に「女の子同士いいよねー」というのはあったのですが、この漠然とした恋愛なのかなんなのか曖昧な関係にピタリと「百合」の語が当てはまるようになりました。男の子同士が好きなのを「BL」と呼ぶのに対して「GL(ガールズラブ)」と呼ぶこともありますが、もうちょっと幅は広め。ラブから友情よりちょっと深い関係くらいまでひっくるめて今は「百合」と呼ばれています。
ちなみに海外にも輸出済みで、「YURI」と呼ばれています。すごいね。
さて、この「百合」ジャンル、女性ファンも多いのですが男性ファンも今非常に多くなっています。
少女漫画っぽい絵柄とか、ちょっと買うの恥ずかしい……でも百合大好き! 買います!
そんな男子の姿を描いたマンガが雑誌「百合姫」で始まりました。
タイトルは「百合男子」。
それだ! その名前がぴったりすぎる! 百合好き男性を表すうまい言葉がなかったのですが、これは「草食男子」みたいな語感でぴたりとはまるじゃないか。
(余談、BL好き女性を「腐女子」と呼ぶのに対して「腐男子」という言葉もありますが、こちらは「BL好き男子」のことなので別物です。)
面白いのは百合ジャンルを開拓した「百合姫」(元名「百合姉妹」)での掲載だということです。当然他の作品は女の子と女の子の関係を描いた作品ばかり。一切男子なんて出てきませんから、超異質な作品です。
ですが、この本を見て「ああ、そうだよ、そうなんだよ!」とヘドバン級にうなずきながら叫ぶ男子は多いのではないでしょうか。
描かれているのも、百合男子であれば納得出来る「あるある」の数々。
たとえばこんなセリフ。
「百合かと思ったらふたなりだったり、途中から男が乱入してハーレム化したりとつらい日々だった……いわゆる百合百合詐欺だ」
そうなんですよ!(ドン!
ふたなり(女性に男性のあれが生えるマンガ)もいいものですが、違う、そうじゃないんだよ……百合ってのはもっとこう、女の子同士のふれあいそのもの、いや関係性とシチュエーションがいいんだよ……伝われこの思い!
こんなモノローグも。
「なにい!?そのまま伝説の『恋人つなぎ』だと!?」
仲良しの女の子二人が指と指を絡めて手をつなぐのを見て一人勝手に脳内補完。しかも主人公の青年、自分で作った「百合名場面名鑑」に、様々なシチュエーション妄想を記録しており、それとシンクロニシティさせています。
ほんとばかだね! でもわかるよ!
この作品、主人公青年が生粋の百合好き百合通なので、収録雑誌である「百合姫」にまでダメだししています。男オタクならではのこだわりっぷりがにじんでいるのが実にユニーク。
それでいて毎回百合雑誌は、なぜかひっくり返してレジに出す習性があったり。
はい、ごめんなさい。そうなんです。なんでだろう。
BL好き女子を描いた作品は最近多くなっていますが、ありそうでなかった百合好き男子を描いた作品。百合が好きだけどなかなか言えない男性にしてみたら悶絶するほど面白いです。
何と言っても男性の百合好きなファンの「男性という存在がいらない」、つまり「自分不要説」に突っ込んでいるディープさが魅力です。
「草食男子」はもう古い、これからは「百合男子」の時代。
自分なんて必要なし、そこに百合があればいいんだよ。
え? 百合作品に興味がわいたですって?
そうですか! ならばいきなり「マリみて」は巻数が多くてハードルが高いので単行本が少ないものをおすすめですね、そうそう乙ひより「かわいいあなた」や大朋めがね「ひみつ。」、森永みるく「GIRL FRIENDS」あたりがオススメですかね……でももうちょっと恋愛模様が見たければ志村貴子「青い花」がアニメも良作なのでいいですね、雑誌やアンソロだと「百合姫」「つぼみ」「ひらり、」が三大巨頭というところでしょうか、そして(以下略
(たまごまご)