北海道が生んだ伝説の人気番組「水曜どうでしょう」。そのチーフディレクターを務める“藤やん”こと、藤村忠寿さんが手掛けた初のエッセイ集『けものみち』が発売された。藤村さんはタレント以上によく喋り、頻繁に画面上に姿を現す“名物ディレクター”として知られる。しかし、藤村さんは北海道テレビに勤務する、れっきとした会社員でもある。なぜ、そんなに自由闊達でいられるのか――。

本書にはこんな一節が登場する。

<なんとなーく始めて、それで、なんとなーく結果を出していけば、誰もいまさらなんにも言わない。いままでの慣習や常識が破られたことに、拒否反応を起こすこともない>

例えば、社内でアイディアを通したいとき。
「これをやりたい!」と熱情にまかせて突き進むと、相手も身構える。なんだかんだと理由をつけて却下されたり、先延ばしにされてしまうことがある。もし、どうしてもやりたいなら、水面下で進めたほうが得策だと藤村さんはアドバイスする。

企画書や申請書はなるべく提出しないのが藤村さんのモットー。<なだらかな坂道を、なんとなーく、ゆるーく下っていく>ように、<石を一個一個積み上げていくような感覚>で物事を進めていく。

“どうでしょう”で見る藤村さんは誰よりも楽しそうだ。どんな困難に直面してもガハハと笑い飛ばす。しかし、意外なことに4人の中で最もストレスに弱いと本人はいう。
<僕はあまりにストレスに弱くて、ストレスだと思った瞬間、そこから道を変えてしまうところがある>