人は二つの人種に分けられるという。「褒められて伸びるタイプ」と「怒られて発奮するタイプ」。
しかし、後者をほとんど見たことがない。褒められるとモチベーションが上がり、頑張ることができる。そんな人が、世間の大半なんじゃないだろうか?

だからこそ、この会社が面白い。大阪府大阪市の「株式会社ギャラクシーエージェンシー」では、朝から営業担当者同士で“ラップバトル”を行うのが常らしいのだ。
と言っても、ただのラップじゃない。同社のラップバトルは、dis(文句)禁止のフリースタイル制。互いに褒め合い、営業成績を指摘し合い、1日の目標を宣言する。それによって、モチベーションを高め合うことを目的としている。

なにしろ、ラップで飛び交うフレーズが秀逸だ。
「お前 昨日、契約あげたらしいNa! 褒めてやるyoっ!!」

何で、こんなことを? 同社に伺ってみた。
「即興でリリック(歌詞)を考えることにより、脳の活性化を促します。また、お客様との会話において素早く切り返す練習になります。
あと、度胸もつきます」(同社・金谷社長)
いいこと尽くめじゃないか。

そこで、最近飛び出した優れたリリックを教えてもらった。以下、列挙。
・「いよいよ到来スプリング、僕とお客さんはすぐリンク」(“スプリング”と“すぐリンク”がかかっている)
・「今日も卵にかけた朝しょう油、今日も力強くまるで朝青龍」(“朝しょう油”と“朝青龍”がかかっている)
・「今日は俺が取るMVP、ワールドカップはディエゴフォルランがMVP、ディエゴフォルランはウルグアイ、俺の営業スタイルはいい具合」(“ウルグアイ”と“いい具合”がかかっている)
・「昨日は契約おめでとう、取れたのは求人? お前 阪神で言うところの藤川球児」(“求人”と“球児”がかかっている)

どうだろう? どれも、力がみなぎってくるではないか。でも、ぶっちゃけ恥ずかしい人もいると思う。実際、社内での反響はどうなのか?
「もちろん、恥ずかしいと思う社員もいます。しかし、大人になれば恥ずかしいと思う機会に出会うことも無くなってくるので、成長につながると信じてテンションを上げてやってくれています」(金谷社長)

事実、ラップバトルによる効果は確実に結果として表れている。
「コミュニケーション能力の向上は目に見えてわかります。また業績も、1人当たりの売上が、前年同月比で25パーセントアップしています」(金谷社長)

同社では、“朝のラップバトル”を4月から実施しているそう。そして、この取り組みが好調さの秘訣だと胸を張っている。
「ラップバトルを行うからこそ、(自称)日本一の営業力を誇っているんです!!」(同社広報・米山さん)

平均年齢24歳。期待の企業だ。

(寺西ジャジューカ)
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