「こんなバカデカイ最大値って、家庭用のテレビで必要あるの?」なんて思うこともあるだろう。
また、友人・知人の家に行ったとき、テレビの音量の数値が大きくて驚いた……なんてのも、よくあるケース。ときどき「ボリューム○○で見てるの? 音、大きすぎない?」とか「我が家はいつもボリューム20くらいで見てるよ」なんて話をする人もいるけど……。
そもそもテレビのボリュームの数値は、メーカーや機種によって違うと思うのだが、最大値は使用しないのに、なぜあんなにも大きい数値に設定されているの?
以前、「最大値を出すと音割れするから、キレイな音で聞けるように最大値を大きくしている」なんて話を聞いたことがあるけど、通常時の音を安定させるためにあえて余裕を持たせているということ?
電子情報技術産業協会に聞いた。
「おっしゃる通り、一般の家庭環境における視聴においてボリュームを最大値に設定することはまれかもしれません。ですが、視聴される方の聞こえ方や部屋の広さ、静かさ度合い、視聴される音源等(ドラマや映画、ライブ中継など)によって必要とする音量は異なるでしょうし、家庭以外の場所でテレビを使用することも想定されますので、様々な視聴環境に対応できるような設定となっております」
音量をMAXで出し続けると、テレビが消耗しやすかったり、消費電力量の違いなどもあるのだろうか。
「ボリュームの大小で、テレビの消費電力が異なることは考えられます。しかし、音声出力のために消費される電力は、映像系と比較するときわめて低く、省エネ、節電という観点での影響は小さいといえます」
テレビのボリュームの数値はメーカーや機種などによって異なると思うけど、これはなぜ?
「ご指摘の通り、ボリュームの数値は、メーカーや機種によって異なる設定となっています。また、最大値、最小値も異なります」
ボリューム調節の目盛りの表示は、あくまでも機器ごとの目安ということだが、なぜ統一しないのだろうか。
「テレビの筐体デザインやスピーカの仕様等によって耳に届く音は変わりますので、各機種の音声出力の値を同じにすれば、実際に聞こえる音量も同じになるというものではありません。テレビ視聴の際は、その表示を目安としつつ、実際の視聴環境に応じて ボリュームを調節すると思いますので、視聴される方が単位の統一を意識することはあまりないのではないでしょうか」
同じ機器であっても、環境や個人によって「音の聞こえ」は違うので、単位の統一はあまり意味がないということらしいです。
(田幸和歌子)