そんな娘も小学校の高学年になり、もう絵本を読み聞かせる歳じゃなくなった。本屋さんの絵本コーナーからも足が遠のいていた。
ところが、先日、いつもレビュー用の新刊チェックに利用している書店に行き、たまたま絵本コーナーの前を通りかかったとき、1冊の絵本の表紙が目に飛び込んできた。それが左に表示されている『おかめ列車』だ。
なんだ、この表紙はしゅぽー!?
さあさあ、よい子(エキレビ読者)のみんな、お布団に入って~。おじさんが絵本を読んであげるよ~。
* * *
あるところに、二人の兄妹がいました。妹の名前は「こももちゃん」。兄の名前はとくになし。作者の都合かもしれません。
今夜、二人はお父さんといっしょにお祭りへ行けるのを、とーってもたのしみにしていました。けれど、そんな二人にお父さんからショッキングな報告がもたらされたのです。
「おまつりには いけなくなったんだ。あきらめて もう ねなさい」
お父さんは簡単に言うけど、子供たちにとって、これはもう大変なショック。二人はガッカリして、布団の上でゴロンゴロンします。
やがて、お兄ちゃんの発案でかくれんぼなどを始めます。この辺の気持ちの切り替えの早さは、いかにも子供。というか、作者による子供の描写が見事なのだと言えるでしょう。