もちろん使い方は様々。定義ができない言葉になりはじめています。
さて、オタクという言葉が生まれたのは1970年代。80年代になってアニメやSFのファンに対しての呼称として使われ始め、90年代に定着しました。自嘲的だったり否定的な意味合いが強くなったり、時には「こだわりがある人」というプラスの側面が追加されたりとうねうね変わる不思議な言葉です。
不思議な言葉っつーことはですよ。ようは便利な言葉なんですよね。とりあえず使っておけばいい、みたいな。
ではこの「オタク」という言葉が定着していなかった80年代、なんと呼んでいたのかってことですよ。
ん! そこのあなたもうお分かりのようですね。 ん! そこのあなたまだ生まれていない! そういう人も多いですよね。
80年代一部のマニアの間では「ビョーキ」という言葉が使われていました。
使用例。
「ほんとお前、クラリス(「カリオストロの城のヒロイン」)コンプレックスで、ビョーキだからなあ」
「そちらこそ大概ビョーキでしょう、弁天(「うる星やつら」)のビキニ甲冑至上主義ですしなあ」
「いやいや、私など足下にも及びません」
オタクと入れ替えてもそのまま通じます。
自嘲を含みながらも、ある一定のプライドを持った「マニアの共通言語」的な意味合いのある言葉です。
こんな「ビョーキ」な人々の80年代の青春を描いた作品が、一本木蛮の自伝的作品