「使わないならくださいよ、ブラックペアン」
これまで「教授命令なら」と佐伯教授(内野聖陽)の指示に従ってきた渡海(二宮和也)だったが、はじめて盾をついた。

第4話のあらすじ


東城大ではスナイプを20台追加導入することが決定した。これまでスナイプを玩具扱いし、高階を怪しんでいたのに簡単に手のひらを返した。

3話で同時に二人の患者を救ったことや、スナイプ手術のために熱心にシミュレーションを重ねた高階の姿に、同僚らの評価も変わっていった。「ブラックペアン」公式サイト

スナイプ手術の論文に誰の名前を記すか、インパクトファクターを得るために躍起になる佐伯教授と帝華大の西崎教授(市川猿之助)。高階(小泉孝太郎)は、佐伯教授に「論文の件はお約束します」という条件つきでリスクの高い小児患者の受け入れを認めてもらった。が、結果的にちゃっかり両教授の名前を連名で記した。インパクトファクターに踊らされる両者の間でうまく動き回る高階。
おまけに「これでもう東城大に用はない」と捨て台詞を吐いていた。誠実そうに見えてかなりの要注意人物だ。
二宮和也「ブラックペアン」渡海の正体が知りたい、もし嵐のメンバーが演じたらどうなるかで考えてみた
イラスト/まつもとりえこ

渡海と嵐


渡海のおちゃめな一面があった。実家から送られてきたお米とたまごかけご飯が主食のようだが、用事があってやってきた新人看護師の花房(葵わかな)に「ん」と茶碗を手渡した。渡海の素朴な一面がみえた。
まるで兄弟のように、たまごかけご飯を食べる二人。花房にはだいぶ気を許しているようだ。できない医者には厳しいが、本当はやさしい人なんじゃないか。


原作での渡海は、もう少し口数の多い中年男性だ。二宮演じる渡海は、猫背で口数が少なく、ときどき悪そうな顔を浮かべる。言葉を発しないわりに表情は豊か。

ちょっと妄想させてください。もし渡海を嵐のメンバーが演じたら……。
これまでの役柄のイメージも踏まえて想像してみると、櫻井翔ならば高階同様、熱心にカンファレンスに参加して事前の準備を怠らないことだろう。松本潤ならば、治験コーディネーターの木下(加藤綾子)と手を組んで、インパクトファクターに踊らされている教授らを前に逆転劇をみせてくれそう。相葉雅紀ならば、患者に寄り添って一生懸命スナイプにと向き合う姿が似合う。大野智は天才外科医とは別の、裏の顔があってもしっくりくる。
二宮が演じる渡海は、口数は少ないけれど、悲しみや恨みを含んだ複雑な表情に引き込まれ、時折みせるやさしい目がたまらない。つかみどころのなさが二宮らしい。

「一千万でもみ消してやるよ」はどこへ


そういえばこのところ聞いていない渡海の「一千万でもみ消してやるよ」。

高階が手術成功のお礼に、「今回の要求は?いくらでも払うつもりですよ」と持ちかけたが、渡海は「貸しといてやるよ。あんたにはいずれ金じゃないものを払ってもらう」。
「信じるな。佐伯清剛を信じるな。あの男は、自分の身に危険が及ぶと感じたとき、平気で誰でも切り捨てるそれがたとえ長年の盟友であってもだ」。

渡海の母親・春江(倍賞美津子)が電話で「親子共々お世話になっているから」と佐伯教授あてに米を送っていたが、仏壇に白衣姿の写真が映っていたのでどうやら渡海の父親は亡くなっているよう。
高階に伝えた「盟友」とは渡海の父親のことか。佐伯教授との間に何があったのか。計算高い高階よりも、動き出そうとしている渡海の方が怖い。

日曜劇場「ブラックペアン」第5話は今夜9時放送。
(柚月裕実)
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