コメントを動画上に投稿できる動画サイト「ニコニコ動画」が人気を集めているが、このニコニコ動画の海外版サイトがあることは、あまり知られていない。

このニコニコ動画、先月末に行われたニコニコ動画の新サービス記者会見において、サービスの総称を「ニコニコ」から「niconico」に変更することが発表された。
今後、海外ユーザーを視野にいれたグローバルな展開を狙う心意気のあらわれともとれる。

まだまだ利用者数は本家サイトに及ばない海外版「Niconico」だが、本家「ニコニコ動画」とは微妙に違った展開を見せている。今回は、海外版ニコニコ動画がどんな感じなのかを紹介してみる。

ニコニコ動画の海外版サイト名は「niconico」。サイトは赤と黒を基調としたデザインで、本家ウェブサイトよりもややスタイリッシュな印象となっている。筆者はこのデザインは、海外でも人気の高い、赤い彗星シャア・アズナブルがコンセプトとなっているのではと、勝手に推測している。

主なコンテンツは、コメントを投稿できる動画(Video)、および生放送(Live)の2つ。海外版だけに、当然、コメントは英語なのだが、本家同様、スラング的な言葉も多数飛び交っている。例えば、本家「ニコニコ動画」の場合、笑ったことをあらわすコメントに「wwww」と、アルファベットのwを並べるものがあるのだが、海外版の場合、これの代わりに「LOL(Laughing Out Loud(大声で笑う)の略で、ネット上でよく使われるスラング)これ以外にも、「Whoa!(すげえ!)」「I love it(超好き!)」「Cool!(かっちょいー)」などのコメントが多数みられ、視聴者間で盛り上がってる感じは本家と変わらない。

たまに、「wwww」のような日本特有のコメントも見られるのだが、「What wwww means?(wwwwってどういう意味?)」というコメントがその後に続く等、国際文化交流が地味に行われはじめているところが興味深い。

また、海外版ニコニコ動画は、アニメや漫画が好きな外国人によく利用されているようなのだが、例えばアニメ主題歌の動画に、歌詞の英訳や英語での発音についての「字幕」がついていることも多く、動画を楽しみながら日本語を勉強しているユーザーがいることがうかがえる。

本家ニコニコ動画において人気のあるコンテンツに、「実況プレイ」なるものがある。
ゲームプレイの様子を、そのゲームをしている人の実況と一緒に動画公開したものであり、例えば「怖いゲーム」として知られる「バイオハザード」を、絶叫しながらプレイする動画などが人気を集めている。

海外版ニコニコ動画においては、この実況プレイが、「日本語を勉強中の外国人が、日本語で実況プレイしてみた」的な感じで実施されていることがある。その一例が、Rabi氏による、ホラーゲーム「青鬼」の実況プレイである。

「先生、最近、日本語が一向にうまくならんのだが。」から始まるRabi氏の実況は、セリフ中の漢字をスラスラと読むあたり、その日本語レベルが相当のものであることがうかがえる。一方で、頻繁に出てくるホラーシーンにおいては「What!?」など思わず母国語が飛び出してしまうあたり、海外版ならではの面白さを醸し出している。

まだ本家の盛り上がりには及ばない「Niconico」だが、日本初のグローバルなウェブサービスとして、ぜひがんばってもらいたいものである。
(エクソシスト太郎)
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