バナナ学園純情乙女組：「翔べ翔べ翔べ!!!!!バナ学シェイクスピア輪姦学校(仮仮仮)」を目撃してきた。夢かもしれない！ でも、濡れてるし、発熱してるので、夢じゃないっぽい！
バナナ学園純情乙女組とは何だ！？と問われれば、
ハイテンション＋アングラ＋MAD動画＋ヲタ芸＋セーラー服＋女装＋ダンス＋狂騒＋狂躁＋革命＋絶叫＋わからーーーんわからーーーんわからーーーん、と答えよう。
「わからーん」ではレビューにならないので、どうにかこうにか、説明を試みようと、もがいてみよう。
バナナ学園純情乙女組は、2008年、桜美林大学の学内で結成される。
主宰、二階堂瞳子。
絶叫ヲタ芸をステージ上で打つ「おはぎライブ」で“サイリウムをゲバ棒に見立てて武装蜂起した演者たちが、いつの間にか伝統ある劇場をゲリラ的に占拠”、大ブレーク。
そして、今回は、シェークスピア、演劇である！
王子小劇場に到着。
劇場の様子が違う。
「なにこれ？」
「レインコートです！」
「レインコート？」
「濡れますから！」
ニコヤカに言われても。
いや、前３列目までは舞台上の水が散って濡れるからレインコートやら、シートが用意されている舞台は、稀にある。
しかし、レインコート、全員に配ってるよ！
劇場内は、激音ミュージックとトークが繰り広げられていて、ツイートを読み上げていたり、「レインコートは、ボタンを後ろにして着たほうが濡れなくていいですよ」とか言ってたり、お客さんみんなビニール姿で、すでにお祭り直前的なワクワク感にあふれている。
前方スクリーン上部には、あらすじが、怒濤のスピードで流れていて、読めない。
「写真どんどん取ってもＯＫです！」
どーーーん！
はじまるやいなや、スーパーなマリオっぽい人や、女装男子や、セーラー服女子や、セーラー服男子や、学園アニメな少女や、触角ぴょんぴょんの黒人妖精や、ブルマ少女や、戦国ＢＡＳＡＲＡ風なヤツや、シスターや、ハリボテなロボットや、あらゆる姿をした人が、舞台に登場する。
総勢、何人だろう。40人以上！？ が、激しく踊り歌い絶叫する。
卑猥な水鉄砲が発射され、タライから水をかぶり、ロミオとジュリエットは出会うやいなや恋に落ち、性器立ち、処女膜破裂し（音を立てて）、秋元康のハチマキをしたマクベスは「リア充の王様」と良く言われワッショイされ人を殺し、幻影は形あるモノを壊し、わしっぱなの男は火をあやつり、つり下げられたぬいぐるみが舞い、マイクを取って絶叫し、クラッカーがいっせいに鳴り、オフィーリア、ヤンデレとなり、尻むきだしになり、ロミオとジュリエットは客席に引き裂かれ、よれよれ近寄ろうとし、客の膝の群に邪魔され、届かぬ手と手をしっかりと結び合い愛を確かめ合い、逃避行の果て、マリオは毒キノコに苦しめられながらピーチ姫を救い出し呆れ果て、水着の女の子は客に抱きつき、膝にのり、上空から水が降り注ぎ、ズブ濡れになり、幻影は形あるモノを壊し、菊池はdocomoのCMを模倣しはじめ、濡れたワカメが飛び、チラシが舞い、テッシュが舞い、紙吹雪が舞い、ブルーシートが客席を覆い、チェーホフの三姉妹が愚痴を漏らし、倒れていた人が立ち、ゴトーを待ち、口開き、勝ち上がり、血で血を洗う大戦闘が繰り広げられ、というような展開があるのだが、ありとあらゆるところで同時多発進行しているので完全な把握は不可能（求む聖徳太子）。
カオスといっても、もの凄い人数の演者が、広くはないステージで、激しく移動し、踊り、叫ぶのだから、これは、緻密に構築された陣形の変動、訓練のたまものであろうことは、伝わってくるが、それ以上にカオスの波が伝わってくるので、そういうふうに冷静に考えられるのは、終わってから。
狂騒の速度と異常な熱量があふれているステージは、１時間弱で終了するが、濃密圧縮してあったのか、思い出すと３時間（もしくは瞬時）だったような感覚だ。
いや、やっぱり文字で書いてもよくわからないだろうが、体験しても、わからないのだからしょうがない。そもそも「わかる／わからない」っつーもんじゃない。
祭りを「わかる／わからない」で測らないように、この大暴れトランスは「わかる／わからない」で測れない。
ここに居ると感じていると、ここに居ない感じになって、祭りの一体感に飛び込み、飛べ飛べ天まで飛べの解放感。
なにやってもいいんだ、生きていたっていんだ、世界は自由なんだ。いま、そういう気分です（そういう気分で書いているのでこういう原稿になってしまっています）。
体験せよ。
まだ戦争には間に合う。
バナナ学園純情乙女組：「翔べ翔べ翔べ!!!!!バナ学シェイクスピア輪姦学校(仮仮仮)」は、王子小劇場で5月27日まで！ 21時スタートの回もある！（米光一成）
バナナ学園純情乙女組とは何だ！？と問われれば、
ハイテンション＋アングラ＋MAD動画＋ヲタ芸＋セーラー服＋女装＋ダンス＋狂騒＋狂躁＋革命＋絶叫＋わからーーーんわからーーーんわからーーーん、と答えよう。
「わからーん」ではレビューにならないので、どうにかこうにか、説明を試みようと、もがいてみよう。
バナナ学園純情乙女組は、2008年、桜美林大学の学内で結成される。
主宰、二階堂瞳子。
絶叫ヲタ芸をステージ上で打つ「おはぎライブ」で“サイリウムをゲバ棒に見立てて武装蜂起した演者たちが、いつの間にか伝統ある劇場をゲリラ的に占拠”、大ブレーク。
そして、今回は、シェークスピア、演劇である！
王子小劇場に到着。
劇場の様子が違う。
トイレの前まで雑多な小道具？が散乱。ふだん控え室を通って、ぐるっと回って、ビニールの束を渡される。
「なにこれ？」
「レインコートです！」
「レインコート？」
「濡れますから！」
ニコヤカに言われても。
いや、前３列目までは舞台上の水が散って濡れるからレインコートやら、シートが用意されている舞台は、稀にある。
しかし、レインコート、全員に配ってるよ！
劇場内は、激音ミュージックとトークが繰り広げられていて、ツイートを読み上げていたり、「レインコートは、ボタンを後ろにして着たほうが濡れなくていいですよ」とか言ってたり、お客さんみんなビニール姿で、すでにお祭り直前的なワクワク感にあふれている。
前方スクリーン上部には、あらすじが、怒濤のスピードで流れていて、読めない。
読めないスピード、追いつかないスピードで走りすぎている。スピードだけが気持ちに残る。
「写真どんどん取ってもＯＫです！」
どーーーん！
はじまるやいなや、スーパーなマリオっぽい人や、女装男子や、セーラー服女子や、セーラー服男子や、学園アニメな少女や、触角ぴょんぴょんの黒人妖精や、ブルマ少女や、戦国ＢＡＳＡＲＡ風なヤツや、シスターや、ハリボテなロボットや、あらゆる姿をした人が、舞台に登場する。
総勢、何人だろう。40人以上！？ が、激しく踊り歌い絶叫する。
卑猥な水鉄砲が発射され、タライから水をかぶり、ロミオとジュリエットは出会うやいなや恋に落ち、性器立ち、処女膜破裂し（音を立てて）、秋元康のハチマキをしたマクベスは「リア充の王様」と良く言われワッショイされ人を殺し、幻影は形あるモノを壊し、わしっぱなの男は火をあやつり、つり下げられたぬいぐるみが舞い、マイクを取って絶叫し、クラッカーがいっせいに鳴り、オフィーリア、ヤンデレとなり、尻むきだしになり、ロミオとジュリエットは客席に引き裂かれ、よれよれ近寄ろうとし、客の膝の群に邪魔され、届かぬ手と手をしっかりと結び合い愛を確かめ合い、逃避行の果て、マリオは毒キノコに苦しめられながらピーチ姫を救い出し呆れ果て、水着の女の子は客に抱きつき、膝にのり、上空から水が降り注ぎ、ズブ濡れになり、幻影は形あるモノを壊し、菊池はdocomoのCMを模倣しはじめ、濡れたワカメが飛び、チラシが舞い、テッシュが舞い、紙吹雪が舞い、ブルーシートが客席を覆い、チェーホフの三姉妹が愚痴を漏らし、倒れていた人が立ち、ゴトーを待ち、口開き、勝ち上がり、血で血を洗う大戦闘が繰り広げられ、というような展開があるのだが、ありとあらゆるところで同時多発進行しているので完全な把握は不可能（求む聖徳太子）。
という状態なので、いま書いた展開も、間違ってるかもしれないというか間違ってるというか正解など無いと言っていいカオス。
カオスといっても、もの凄い人数の演者が、広くはないステージで、激しく移動し、踊り、叫ぶのだから、これは、緻密に構築された陣形の変動、訓練のたまものであろうことは、伝わってくるが、それ以上にカオスの波が伝わってくるので、そういうふうに冷静に考えられるのは、終わってから。
狂騒の速度と異常な熱量があふれているステージは、１時間弱で終了するが、濃密圧縮してあったのか、思い出すと３時間（もしくは瞬時）だったような感覚だ。
いや、やっぱり文字で書いてもよくわからないだろうが、体験しても、わからないのだからしょうがない。そもそも「わかる／わからない」っつーもんじゃない。
祭りを「わかる／わからない」で測らないように、この大暴れトランスは「わかる／わからない」で測れない。
ここに居ると感じていると、ここに居ない感じになって、祭りの一体感に飛び込み、飛べ飛べ天まで飛べの解放感。
なにやってもいいんだ、生きていたっていんだ、世界は自由なんだ。いま、そういう気分です（そういう気分で書いているのでこういう原稿になってしまっています）。
体験せよ。
まだ戦争には間に合う。
バナナ学園純情乙女組：「翔べ翔べ翔べ!!!!!バナ学シェイクスピア輪姦学校(仮仮仮)」は、王子小劇場で5月27日まで！ 21時スタートの回もある！（米光一成）
