AKBの番組で「男装甲子園」というコーナーがあるが、あれが凄く良いのだ。女子が男の格好に身を包むと、どこか違った魅力を発散させる。
男臭さを感じさせない分、やっぱり美しくて。とにかく、綺麗です。

そして、そんな“男装”には熱烈な支持者も多い模様。だからこそ、こんな雑誌が話題となっている。インデックス・コミュニケーションズより刊行されている雑誌『KERA BOKU』は、“男のコスタイル”に変身したい女のコのためのファッションBOOK。
ページを開くと、そこは予想以上の世界だった。「男装女子」のためのファッションアイテムやメイク法(!)、スナップ等が所狭しと掲載されているのだ。

ところで、どうしてこのようなコンセプトの雑誌を創刊しようと思ったのか?
「『KERA』(女の子向けティーン誌)の2010年8月号に掲載された『男の子になりたい症候群』というわずか4ページのファッション企画が大反響を呼び、それ以後もメイク、ファションとさらに細かい作りにした企画を次々と立て、どれも外すことなくアンケートで上位を獲得したんです。そして、遂にはムック本を作るまでになりました」(『KERA BOKU』田島編集長)

元来より「性別が逆になる」というストーリーは、アニメでもマンガでも人気の設定。当然、前述の8月号以前にも“男装”に関するページは企画されていたという。しかし、どれも8月号ほどの人気を得たことはなかった。では、なぜここに来て“男装”に対するニーズは高まりを見せたのだろう?
「昨今のアニメやゲームに登場する主人公って、かなりの美少年ですよね。
そのようなゲームを女性が嗜んでいることや、テレビドラマになっているのが、人気の理由かと考えております」(田島編集長)
『黒執事』、『銀魂』、『NANA』、『桜欄高校ホスト部』、『テニスの王子様』、『薄櫻鬼』、『家庭教師ヒットマンREBORN!』、『Starry Sky』、『純情ロマンチカ』……。これら二次元の作品に存在する“美しい男の子”に心ときめかせた女の子が、今まさに急増しているのかもしれない。

そういったニーズを受け、『KERA BOKU』は昨年の10月に創刊されている。当然、人気は凄まじく、創刊号は約8万部を完売。今年の4月に発売された第2号も、非常に好評な売れ行きを見せているとのこと。
「『KERA』は買わないけど『KERA BOKU』を初めて買ったという読者も多いみたいです。ボーイズファッションのみを扱った雑誌は、今まで無かったですからね」(田島編集長)
もちろん、同誌の読者の99パーセントは女性のようだ。

ところで、素朴な疑問がある。世の“男装”人気は、どのベクトルに向かっているのだろう? 単純に、目の保養としての人気なのか。それとも「自分が男装したい!」という女子も多かったりする?
「どちらが人気と言うわけでなく、双方人気があるかと思います」(田島編集長)

では、もう一つ質問を。男装に身を包む女の子は、プライベート時から“男装”ファッションを好んで着ているのだろうか? それとも何かのイベント等で、コスプレ感覚で着る子が多い?
「普段のプライベートで、好んで“男装”ファッションを着る方が多いです」(田島編集長)
へぇ~! そのファッションも、メンズ服もしくは男装専用のラインがある訳ではなく、女性ブランドでそのような洋服があったり、コーディネートでメンズっぽくしているようだ。
そして当然、同誌に登場するモデル達は普段から“男装”ファッションを私服として着ている子ばかり。
だって、普段着ないものを着ると衣装みたいになってしまうから。『KERA BOKU』は、本物の「男装女子」が活躍している雑誌なのである。

なるほど。改めてページを開くと、そこに展開されているのは確かに二次元のノリな印象がある。マンガで見ては「こんな男、いるかよ!」と声を荒げたくなるような美形キャラが、実はここにはいたのだ。
男子にとってはライバルが増えてしまったことになるな……。
(寺西ジャジューカ)
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