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お弁当に入ってるおさかな型のしょうゆ入れ「醤油鯛」の本格研究書

お弁当に入ってるおさかな型のしょうゆ入れ「醤油鯛」の本格研究書
徹底した研究水準が執念を感じさせる、「魚の形をしたお弁当のしょうゆ入れ」研究の本『醤油鯛』。
醤油鯛の本格的な系統分類図鑑が、この日本にはある。日本はそういう国だ。

「醤油鯛(しょうゆだい)」というのは、幕の内弁当なんかに入っている、お醤油の入った使いきり容器だ。最近では小さい袋に入っていることも多いが、よく見かける人も多いだろう。

これを、収集し、「背びれ」「尾びれ」「キャップ」などといった外見上の特徴の長さや突起の数を元にして、本物の魚類のように属や科といった分類をおこなった研究成果が本書『醤油鯛』だ。

結論から言うと、レベルが非常に高い。著者は博物館の研究員で、実際の生物学の研究をおこなっている沢田佳久氏。そんな人が作り上げた本格的な本なので、アカデミックな図鑑のような構成が非常に笑える。

序章では律儀に醤油鯛を

「量産された合成樹脂製の液体調味料容器で、全体で魚の形を模したもの」

と定義したり、形態学的特徴をもとに種類を判別する「同定」という作業なども、マジ生物学の呼び方で徹底されている。

さらに生物を語る上では欠かせない系統進化学的アプローチも忘れない。発色のいい赤いキャップが受け入れられた昭和の時代から、デジタルなCADで設計された型から製造された最近の醤油鯛まで、その流れや文化との関係性についての考察。中にはちょっと難しい部分すらあり、スリリングこの上ない。

「カザリショウユダイ科トモエショウユダイ属大韓航空醤油鯛」
「アユガタショウユダイ科ナガショウユダイ属延岡鮎型醤油鯛」...続きを読む

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