たとえば、誰でも気軽に入れるファーストフード店でハンバーガーを食べたとき、ソースが残ってしまいもったいないと思った経験はないだろうか。

または、恋人とのデートなどでおしゃれなハンバーガー専門店に入ったところ、ナイフ・フォークとともに運ばれてきた、お皿の上のハンバーガーに戸惑ったことはないだろうか。
「手で食べていいの? それとも、ナイフとフォークで食べるの?」と、初めてこのスタイルに出会ったとき、動揺して他のテーブルの様子を伺ったことを覚えている。

気軽に食べられるはずなのに、パテや野菜が崩れてしまってきれいに食べることが難しいのがハンバーガー。そのため食べることに集中してしまい、会話の内容が頭に入ってこない上に、食べ終えた後に味を覚えていないこともある。

気にしないで好きなように食べてしまえばいいのかもしれないが、一緒にいる相手に不快な思いをさせたくないし、どうせなら上手に食べられるようになりたい! そこで、『きれいな食べ方』を参考にしてみた。

まず、ファーストフードのハンバーガーの食べ方だ。モスバーガーのミートソースは食べ終えた後、残ってしまうことがほとんどだが、それを残さず食べる方法を紹介している。


最初にラッピングペーパーの開口部と対照になっているカド(一番ソースがたまるカド)を折り、そのまま持っておく。ここを抑えておくと、具の崩れもひどくはならない。2、3口食べるごとに、下にたまったソースを引き上げるようにする。そうするとミートソースも一緒に味わえる。

次は、ナイフとフォークで食べるハンバーガー。まずはパテの端を少し切り、味見をしてからケチャップやマスタードでお好みの味にする。
味付けが終わったら、上にバンズ(パン)を乗せ、手でハンバーガーを押さえながら2等分にする。このとき、ハンバーガーを強めに押さえながら、押さえている手の親指と人差し指の間にナイフを入れることがポイントだ。

そして、2等分したハンバーガーを手でもっていただく。そうすると、丸ごと食べるより、具が雪崩を起こすことが少ないらしい。

いつもの食べ方を少し変えるだけで、きれいに食べられるようになりそうだ。ハンバーガーだけじゃなく、魚の塩焼きや蟹料理、パエリアなど、ちょっと困ってしまう料理の食べ方が、『きれいな食べ方』には集められている。


「『これってどう食べる?』という素朴な疑問を大切にしてメニューを選びました。食べ慣れている料理でも、意外と食べ方がわからない料理はあるものです。会席料理やフレンチのフルコースなどのマナーが難しい料理を取り上げる一方で、焼き魚や煮魚といった日常的な料理、焼き鳥や焼きとんなどの居酒屋メニュー、焼肉や中華料理などのエスニック系料理など、食べる機会が多いものを積極的に選びました」と編集担当の方は教えてくれた。

串料理は一度串からはずして食べてしまっていいのか、骨つきのお肉はどうやったらきれいに食べられるのかと、普段の食事で食べ方に困ってしまうことは確かに多い。それを解決してくれるとは、なんともありがたい一冊だ。

「本書で紹介している食べ方は、その料理をおいしく食べるコツでもあります。
きれいに食べることができれば、料理そのものの味も深く楽しめます」

なるほど。きれいに食べる方法=おいしく食べる方法であるなら、ぜひとも覚えておきたい。私は、まずはハンバーガーのきれいな食べ方を実践しながら習得しようと思う。

ちなみに、担当編集の方は、きれいな食べ方で得をしたことがあるらしい。

「先日、仕事帰りに居酒屋で焼き魚の食べ方を試したところ、『お客さん、ずいぶんきれいに食べるね』と店主のおじさんが喜んで、小鉢を一品、サービスしてくれました。おじさんの満足そうな顔を見ていると、なんだかこっちまで嬉しくなりましたね」とのこと。


食事をおいしく、楽しくする“きれいな食べ方”。きっと覚えておいて損はない。
(上村逸美/boox)