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やればできる。この言葉ほど危険なものはない。野村克也の人生論

オススメポイントは二つ。
ひとつは「野村克也の人生論」の副題通り、自身のこれまでの経験・失敗や様々な選手、監督のエピソードを、一般の人生に置き換えた場合にどう生かせるか、という点にまで言及している点。ベートーベン、世阿弥、浅利慶太、小泉純一郎らの言葉、さらにはヒンズー教の教えまで持ち出して解説する野村節満載の「人生論」はさすがに含蓄がある。

そしてもうひとつは、「俺とONは~」という昔話で終わってしまうのではなく、2012年の球界事情までも踏まえた記述が多い点だ。

例えば、先日現役続行を発表した山崎武司(現・中日)を変えた「自己評価」、そして「自己評価」という言葉が生む誤解について。
楽天に来るまで何も考えずに打席に立っていたという山崎に対して、「お前は強打者や。うぬぼれて野球せい!」とアドバイスを送ったノムさん。
《人間は、他者からの評価で生きている。仕事をするうえでそれを自覚しなければ、万事が自分本位で独りよがりな自己満足の仕事に終わってしまう。自己満足は、自己限定を生み、成長はそこで止まる》と綴る。
「自己評価」とは他者がどう評価しているかを自分で考えること。山崎自身が思っている打者像ではなく、相手ピッチャーからどう思われているかを理解することで、配球を理解することができるのだと説いていく。

同様に、プロに入ってから伸び悩む斎藤佑樹(日ハム)に対しても、「自分が何者か」ということを気づけていないと指摘し、実際に斉藤と交わした言葉を引き合いに出しながら、「やればできる」という安易な考えを捨てるべきだ、と厳しいコメントを残す。
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