3つの丸、まずこの正式な名称は何か。
「“鋲(びょう)”または“加締(かしめ)”といいます」
で、その役割は。
「包丁の刃の部分は、強度を出すために柄の中まで続いています。柄の中に納まっている刃の根本部分を“中子(なかご)”といいますが、その中子と柄を固定するためのものが鋲なのです」
なるほど、言われてみれば納得。鋲を打って刃を固定する、これにより単に穴にはめ込んだだけより抜け落ちる心配がなくて済むわけだ。
しかし、たくさんある包丁の中で、鋲が柄に付いていないようなものも結構ある。そのような包丁はいったいどうやって固定されているのだろうか。
「それは包丁によっては、下記のような場合があるからです」
・中子が柄の中まで伸びていないもの
・鋲を柄と同じ材質でカバーして見えなくしているもの
・中子が柄の端まで伸びていて、柄のお尻の部分で中子を止めているもの
ほほ〜、そんな工夫がなされているのかぁ。知らなかったです。
包丁と一口にいってもたくさん種類があり過ぎてどれを選ぶか迷う。だが、今回の鋲の話を聞いて、やっぱり鋲が打ってある包丁のほうが安心かなと感じた(鋲がない包丁が駄目だという意味ではない、あくまで筆者の好み)。他方で、刃と柄が一体となったオールステンレス包丁があったりする。これなら柄を固定する鋲は当然要らないのだ。
新しい包丁を検討している方、あなたは3つの丸にこだわりますか。
(羽石竜示)