もともと洋書絵本というものは、日本人にとって、舶来のお菓子のような、手に入りにくく高級感のある、憧れの存在だったはずだ。
しかし今、Kindleストアでは、大量の無料洋書絵本が配信されている。電子書籍なので配送料もかからない。私たちは全くお金を払わなくても、自分のタブレットの中に、大量の洋書を保存できるようになったのだ。実際筆者のKindle Fireには、1000冊以上もの無料洋書絵本が並んでいる。
Kindleストアには、なぜこのように大量の無料本が存在するのか。
決してアマチュア作家が作ったとは思えないような美しい表紙デザインのものも多い。実際、紙の書籍では1000円以上の定価が付いて売られているものもある。それには無料キャンペーンというからくりがあった。
Kindleで本を販売する際には、KDPセレクトというオプションメニューがある。こちらを選ぶと、90日間のうち最大5日まで、無料本キャンペーンを行うことができるのだ。なぜ多くの著者達が無料で配信するかというと、より多くの人に本の存在を知ってもらい、ファンを増やしたいからではないかと思われる。
つまり無料本は、いつでも無料なのではない。一時的にキャンペーンで無料なだけなので、0円なのは、最大で数日間。早いと1日のみで有料に戻ってしまうので、ちょっと気になる無料本を見つけた時はダウンロードをしておくことをおすすめする。
さてどうやってKindleストアの無料洋書絵本を見つけるかというと、方法はいくつかある。
・Kindle洋書ランキングの絵本無料カテゴリから見つける方法
こちらには今、人気があるものが並んでいる。
・自分が気になるキーワードで検索
「Kitty」 「Puppy」「Cat」「Dog」「Teddy Bear」「Princess」など、こんな絵本を読みたいと思う単語で探すとそのキーワードが含まれる無料洋書絵本が出て来る(もちろんキーワードによって1件もヒットしないこともある)。表示された本を「価格が安い順」に並べ替えると、無料本を見つけやすい。
・良く0円セールを行うシリーズ名や著者名で検索
何度か無料洋書絵本をダウンロードしていると、しばしば無料本を出すシリーズがあることに気づく。好みに合うシリーズならば、その名前で検索し「価格が安い順」に並べ替えれば、無料本に出会える可能性は高い。以下は、筆者が見つけた無料絵本も出ることがある洋書絵本シリーズのリスト。
○The Learning Club!シリーズ
動物の生態を豊富なカラー写真で解説してくれる科学絵本。理科好きなお子様にもおすすめ。
○History for Kidsシリーズ
子どものための偉人伝。写真つきでエジソンやヘレンケラーなどの偉人の人生を説明。
○The Adventures Of Floppy And Bertieシリーズ
可愛いテディベアがあちこちに冒険に行く物語。イラストが本当に丁寧で、めくっていて癒されること多数。
○Janeちゃんシリーズ
おちゃめなJaneちゃんがあちこちで繰り広げる楽しい日常。女の子が楽んで読むのでは。英文も短く読みやすい。
○Splatter and Friendsシリーズ
Melissaちゃんと単語を覚えながら簡単な物語を読んでいく絵本。ボキャブラリーを増やしたい人におすすめ。
現在、日本のKindleストアには約11万冊の子ども向けの洋書がある。
そのうち無料は781冊(2013.4.2日現在)。
ちなみに筆者が1000冊をダウンロードした時点でのストレージの書籍容量は約1GBとかなり少なかった。ということは8GBの容量のKindleFireであったなら、単純計算で実に8000冊もの洋書絵本を入れることができるということになる。小さなタブレットの中にこれほどの量の洋書絵本を入れて持ち歩けるなんて、非常に夢のある話である。もしどこかで知り合いの子どもに遭遇した時には「そうだ、外国の絵本を読んであげようか?」とすぐに読み聞かせを始めることだってできるのだ。
また、Kindle洋書は、英語学習にも効果は少なからずあるだろう。絵本とはいえ、毎日何冊も読めば、積もり積もってかなりの読書量になっていくはずだ。KindleFireには、わからない単語を長押しすると意味を表示してくれたり、英文を読み上げる機能もある。筆者も毎日のように洋書絵本をめくっていたら、少しずつボキャブラリーも増え、他の場所で英文を見ても逃げ腰にはならなくなった。
小さな子どもも、洋書絵本をただ眺めているだけでも、かなり英語と親しめるはずだ。小学校低学年のお子さんを育てている母親に洋書絵本群を見せ「これ全部無料なの」と教えると、その場でKindleタブレットの購入を決意した。
かつて憧れの存在だった洋書絵本は、Kindleのキャンペーンシステムによって、信じられないことに1000冊以上も無料で手に入れることができるようになった。かつてないほど洋書に触れやすい、グローバルな読書環境が目の前にある。無料なのだし、まずはたくさんダウンロードして楽しんでみては?
※筆者のブログでもその日ダウンロードしたKindle無料本を紹介しています。
(内藤みか)