かき氷シーズン直前!一昨年あたりから、テレビでかき氷の美味しいお店が紹介されることが増えて、かき氷ファンの女性が急増。昨年秋には色々なかき氷が食べられるイベント「東京かき氷コレクション」が開催され、チケットは完売。
お客さんの9割が女性だったほどだ。一体、かき氷の魅力は何なのか?「東京かき氷コレクション」実行委員会の小池隆介さんにお話を伺った。

――女性のかき氷ファンの方で、たくさん食べる人は、どのくらい食べるものなのですか?
「1日で10杯以上を食べる人もいますよ」
――10杯以上も!?そんなにお腹に入るものなんですか?
「美味しいから、パクパク食べれちゃうみたいです。かき氷の美味しい店のハシゴをしている方も多いですし、全国のお店で美味しいかき氷を食べ歩いている方もいます」
――かき氷が好きな人って、お店に入っても、かき氷だけを注文するものなんですか?
「かき氷が好きな人は、かき氷だけを注文する傾向にあります。もちろん、人によって違いますけど」

なるほど。それなら、1日に10杯くらい食べる人がいてもおかしくはない。(←いや、感心している場合ではない。やっぱり10杯以上食べる人は凄い) では、“かき氷男子”の小池さんは、なぜかき氷が好きになったのだろう?

「実は、かき氷は夏の間だけ人並みに食べていた程度で、そんなに興味があったわけではないんです」
――そうなんですか!?
「前橋にかき氷が美味しいお店があるんですけど、数年前に、地元に住んでいる兄弟に勧められて食べてみたんです。そしたら、そこのかき氷があまりにも美味しくて、衝撃を受けまして…」 しかも、そのかき氷を食べた瞬間、小池さんの体感温度が明らかに2~3度ほど下がって、涼しくなったのを感じたという。 「スゴイ!!頭もキーンとしないし、こんなに美味しいかき氷があるなんて!」 。予想以上の感動を味わった小池さんは、それ以来すっかり、かき氷の虜に。色々なお店のかき氷を食べに行くようになったという。


●実は深い!かき氷の世界
――かき氷の味って、お店によって違うものなのですか?
「氷とシロップとお店の方のセンス次第で変わってきます。例えば、氷をかく機械や“かき方”によって食感が変わってくるし、オリジナルのシロップを作っているお店も多いし、使用するフルーツもお店によって違います。シロップもフルーツも“新鮮さ”が大事で、当日作ったシロップしか使わないお店もあるほどです。お店によって特徴が異なるので、食べ歩きで美味しいお店を発見していくのは、楽しいです。他のお店の人には、絶対に真似できないようなかき氷をつくる方もいらっしゃいますし」

しかも、季節によっては新しい味が登場することもある。
「例えば、秋になると柿のフレーバーのかき氷を提供するお店がありますが、やはりお店によって味が違いますし、同じ店でも、年によっても若干、味が違ったりします」

ちなみに、冬は夏の繁盛期に比べると時間の余裕ができるため、冬に新しい味を提供するお店もあるとのこと。真のかき氷ファンは冬でも食べに行くのだ。 点そう、かき氷ファンは、一年中、忙しいのである。

――小池さんが忘れられない味ってありますか?
「季節とは関係ありませんけど、熊谷にある『慈げん』がイベントの特別限定メニューで作った、わさび味のかき氷ですね。ミルクの甘さと、わさびのピリピリが絶妙で、美味しかったです」

まさに、「攻めるお店のかき氷」である。

●かき氷の食べ歩き本『かきごおりすと』発売!
冒頭でも触れたが、4月17日に、かき氷の食べ歩き本『かきごおりすと』が発売されることに。小池さんによると『かきごおりすと』とは、かき氷を作る人、かき氷を食べる人、かき氷のリストの三つの意味を持つ造語とのこと。
文字通り、ページを開いても、開いても、美味しそうなかき氷の紹介ばかり!紹介されているお店は、かき氷ファンで人気の高い41店。(関東地区のお店のみ) 「かき氷の写真って、たくさん載せるとあまり代わり映えがしないんじゃないか…っていう不安があったんですけど、並べてみると、その心配はどこかに吹っ飛んで行きました(笑)。生フルーツを使ったシロップの彩りも鮮やかで、形状も様々で…」

食べ歩き本にしたのは、一つのお店に足を運んだら、そのまま他のお店にも行けるようにしたかったからだという。書籍は、かき氷が食べられるお店で販売する他、ネットの書店等でも順次販売予定。

――かき氷は今後、どうなっていきますかねぇ? 「かき氷というと、甘味処さんや露天さんのようなお店で食べるものというイメージがあると思いますが、今後はラーメン店や、お好み焼き屋さん、居酒屋など、色々な業種の店で、かき氷を食べられるお店が増えていくんじゃないかと思います」

●実際に、『浅草浪花家』のかき氷を食べてみた 今回、取材でお邪魔したのは、小池さんおすすめの『浅草浪花家』。注文したのは、あさやけ(生)700円(生いちごシロップにゆであずき)、宇治金時(注文毎に京都産抹茶を点てており、テーブルで店員さんが抹茶シロップをかけてくれる)、きなこ(くろみつとミルクとこがしきなこの氷) ※PCの方は写真参照

――おおお!!なんと豪華な!どれも氷が細かいですね!食べ方のコツはありますか? 「できれば、上から食べてください。側面からいくと崩れちゃいますので」

なるほど…(ガサガサ)。あぁ、もったいない、不器用なので外側が少し崩れてしまった(泣)。味の方は…まぁ、なんということでしょう!口に入れた瞬間、サーっと溶ける!しかも、「あさやけ」の場合、生いちごシロップが濃厚で、今までに味わったことのない美味しさ!!これならパクパク食べられる!きなこも抹茶も、面白いようにパクパクと口の中に…。

●チケット完売!い ろんな名店のかき氷が堪能できるイベント
来る2013年4月17日(水)、お台場で、美味しいかき氷がザクザク食べられるイベント「東京かき氷コレクション」の第2回目が開催される。題して「かき氷の祭典『東京かき氷コレクション2013 春』」。
今回の参加店は、茶師十段の作るかき氷が有名な「しもきた茶苑大山」、攻め続けるかき氷・熊谷の国宝「慈げん」、紅茶とフルーツの可憐なかき氷「ティーハウスマユール」、伝統にとらわれない新勢力「浅草浪花家」の4店。
夏の猛繁期の前に、ここでしか味わえない春の新作・大発表会。

――チケットがあっという間に売り切れたそうですね!
「すみません、発売早々、8分で完売しました。次回の開催も予定しておりますので、ぜひ次回に…」
――それにしても、なぜこの時期に??
「ゴールデンウィークが始まれば、いよいよかき氷のトップシーズンに入ります。桜が終わるこの季節が、のんびりとかき氷を味わえるラストチャンスなんです。店主が思考をこらしたかき氷シロップを探求できる時間も、そろそろおしまいですから」

つまり、名店はもう少し暑くなると大混雑するため、かき氷ファンにとってはゆっくりと堪能することができ辛くなるし、お店の方も繁盛期にお台場に出張するような余裕はない…というわけで、各店舗が混み始める直前のこの時期の開催が決まったそうだ。

「本当においしいかき氷を、多くの人に知ってもらいたいし、かき氷店とファンの交流の場になれば…と願っています」(小池さん)とのこと。冒頭でも触れたが、前回はお客様の9割が女性だったという。参加者の中には、イベントを通じて仲良くなった人も多く、イベント前に他の店のかき氷を食べて来たという“強者”の女性グループもいたそうだ。恐るべし、かき氷女子!!(取材・文/やきそばかおる)

●かき氷の祭典「東京かき氷コレクション2013 春」 日時:2013年4月17日(水) 16:00開場・16:30開演 会場:TOKYO  CULTURE  CULTURE
http://tcc.nifty.com/cs/catalog/tcc_schedule/catalog_130307204190_1.htm
※チケットは既に完売

●東京かき氷コレクション実行委員会
http://kakicolle.com/
かき氷の食べ歩き本の詳細もこちらで !

●お邪魔したお店 「浅草 浪花家」
http://a-naniwaya.com/index.html
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