1950年代後半に登場した「女性週刊誌」。
芸能やゴシップ、美容、健康など、女性が好むテーマを幅広く扱う、日本国外には類を見ない雑誌だという。

その歴史は、テレビ放送よりも数年短いものの、60年近くにも及ぶ。

そんな女性週刊誌は、自分たちが子どもの頃には、近所のパーマ屋さんや銀行などで、おばちゃんたちが読んでいるイメージがあった。
その頃は、「自分もおばちゃんになったら、こういう雑誌を読むんだろうか。いや、読まないだろうな」なんて思っていた。
でも、実際に自分がおばちゃんになってみると、同年代に女性週刊誌を買って読んでいる人は正直、ほとんどいない。
にもかかわらず、次々に雑誌が休刊・廃刊になる出版不況のなか、女性週刊誌の話題はたびたび世間を賑わせている。
もちろんネット記事などで読む層も少なからずいるだろうけれど、そればかりじゃない。いったいどんな層が女性週刊誌を読んでいるのだろうか。
雑誌によっては、読者が雑誌と一緒にトシをとっていくスタイルのものもけっこうあるけれど、女性週刊誌ももしかして私たちが子どもの頃に読んでいた主婦層が、そのまま読み続けて、60〜70代とかがメインターゲットになっていたりする?
女性週刊誌編集者に聞いてみた。

「アンケートなどから見える『読者層』は、メインが40代後半です。とはいえ、実は意外なくらい年齢層が広く、20代から70〜80代までなんですよ」
意外にも(失礼!?)若い新規読者を獲得できているそうだけど、若い人は何をきっかけに読むのだろうか。
「たとえば、EXILEとか、ジャニーズとか、イケメン俳優などの記事ですね。
また、K-POP人気によるところも大きいです」
若い読者層は、表紙や巻頭記事などにお気に入りのアーティスト・俳優などが出ていることで購入するケースが多いようだ。

また、ゴシップをチェックするために購入する男性もいるらしい。もちろん長年読み続けている高齢者もいる。
「健康モノ、ご長寿モノなどのテーマは、年配層に安定して人気があり、40代くらいの女性が、一緒に住むお母さんなどのために買っていくケースもあるようです。場合によっては、おばあちゃんとお母さん、子どもの3世代で、それぞれ好きなタレントの記事を読むなんてこともあるようですよ」

今は「友達親子」のような距離の近い親子関係も多く、気持ちの若い女性が増えているだけに、2世代、3世代で、女性週刊誌を見ながら「誰が好みのタイプ?」なんて女子トークを繰り広げることもあるのだろうか。

「おばちゃん雑誌」と思っていた女性週刊誌だが、実は若い人も男性も、おばあちゃんも読んでいる、日本ならではの存在のようです。
(山田山子)
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