いや、わかっているのです、新しい知識が身体に入ってくる喜び。
手間暇もめんどくさいですし、特に社会人になると「それ覚えてなんになるの?」という疑問が首をもたげてしまい、無趣味化してしまうことも多々。
ここでで、ゲーム感覚でできる勉強法が。
検定を受けることです。
そんなわけで検定を受ける人は、大きくわけて二種類。
ひとつは、趣味・特技・実用のために検定を受けに来ている人。
もうひとつは、検定を受ける事が趣味の人です。
多分8:2くらいだと思う。
『趣味がないのでヘンテコ検定を受けてみた』は、「何するのそれ?」っていう検定を受けまくる漫画。
趣味が検定って人多いんですよ。資格コレクターだったり、ブログにアップするのが楽しかったり。
そもそも作者が、タイトルのように「趣味がない人」だからです。つまり元々検定も趣味じゃない。このマンガを描く仕事が来た時に、ネタ出しで咄嗟に、趣味は検定、と言っちゃったから。
超いきあたりばったり!
なんですが、これつきつめると「趣味とはなにか?」「なぜ人は役に立たない趣味にハマるのか」というでかいテーマでもあるんです。
出てくる検定が、まータイトルどおり変なのばっかりです。
ちょっとあげてみるとこんな感じ。
「えのすいクラゲ検定」
「お好み焼き検定」
「C.P.Aチーズ検定」
「だしソムリエ検定」
「世界遺産検定」
「お好み焼き検定」
まー、世界遺産検定とかはなんとなくわかります。
お好み焼き検定って。BBQ検定って。なにすんの……?
クラゲ検定合格したら、履歴書に書けるのか?
ほんと、なんにでも検定あるな!
そもそも検定受けてどうするのって話ですよ。
「声優能力検定」なんてのがあるんですが、これ自宅で録音したものを送って、合否を決めるというもの。
でも受かっても声優さんにはなれません。
最初のうちは作者も「?」だらけなんですが、回を重ねるごとにこれは勉強をするいいきっかけという事に気づきます。
決定打だったのが二回目のクラゲ検定。
一度も水族館に行ったことがないという作者が、水族館に行けるラッキーという動機で選んだ検定です。
実は狭き門のクラゲ検定。初級でも超難しいです。
問題に出たところは記憶に残るもの。実際水族館でクラゲを見ると「あっ、これは!」と気付きます。
クラゲに関心がなかった作者も興味がわきだし、一気にドハマりしてクラゲマニア・水族館巡りマニアと化します。
そう、この感覚。知識が世界とつながって、すっと身に入っていって気持ちよくなる感覚。
今まで気にならなかったものが、目に留まるようになる、世界に色がついていく感覚。
趣味と学問の境目は曖昧です。
けれど好きなモノを調べていけばそれは学問ですし、半強制的に勉強することによって好きなものに出会うこともあります。
そのきっかけが「検定」。普段絶対勉強しないようなことも、検定面白そうだから、という理由ではじめてみたらハマる可能性、大。
加えて、試験会場や来ている人を見るのがえらい面白い。
例えばBBQ検定会場に来るのは、フェイスブックにさらっと写真アップできるような明らかにアウトドア派の人ばかり。インドア派な作者はものすごいコンプレックスに襲われます。あー、ありそう。
またチーズ検定は江戸川橋の普通のマンションの一室で行われたり、だしソムリエは麻布のマンションの中だったり。
参加者同士も色々話しあったりして、試験会場っていうより、まるっきり趣味の集まり。
こ、これはコミュニケーション力問われるな……。でも混じってみたい気もします。
本編には出てきませんが、有名な鳥取の「妖怪検定」や「古代発火法検定」など、まさに「なんだそれ」な検定いっぱいあります。
それぞれを「本気の人が多い度」「コミュニケーション図れる度」「テキストのページ分厚い度」などでわけて星をつけているのもわかりやすい。
特に「飲み会で話題にしやすい度」。これ割と重要!
どんな検定も受けて損はない、むしろプラスしか無い、はず。
きのしたきのこ 『趣味がないのでヘンテコ検定を受けてみた』
(たまごまご)