菊野 かたや大越さんの場合は、日本シリーズの2日後にクビ。トライアウトは日本シリーズの直後に行われたので、大越さんにとっては当然、合同トライアウトがいきなりのテストになります。(※日本シリーズは10月27日に終了。トライアウトが11月5日)
─── それは、準備という意味でも不平等ですね。
菊野 かたや3つのテストを経てトライアウトに臨んだ宮地。かたや経験ゼロの大越。大越さんは我々の取材でも言うんですよ。「なんで? だったら日本シリーズの前にクビにしてくれよ。俺も宮地と同じように3つか4つ受けられたかもしれないのに」と。結果、大越さんは合同トライアウトでは声がかからず、その後、千葉ロッテのテストに呼ばれるんですが結局それも受からず、プロ野球の世界から出ることになる。番組でもその2人の対比は明確になりました。
─── 今では、高校野球の指導者としてセンバツにも出場を果たしましたが……色々思い出しました。
菊野 それが2003年。そうしたら、翌04年に球界再編が起き、その時に選手会と球団がいろんなことを話し合う中で、合同トライアウトの意味も議題として取り上げられたんです。そして、合同トライアウト以外では個別の球団テストは公には行わない、という申し合わせができるんです。
─── おぉ。
菊野 03年の宮地・大越のON AIRが多少は影響があったのかもしれません。選手会の人や事務局の方が、番組の影響が大きかったと仰っているのを人づてに聞いたことがあります。