PCネタでたびたび話題になる「冷却ファンの音がうるさい」という問題。性質上、どうしても冷やさなければいけないので、内部のいろいろな場所でクルクルと扇風機が回っており、その風きり音が騒音になっているわけ。
昨年購入した筆者のデスクトップPCも実は騒音がひどい。これまで我慢して使ってきたが、もう限界! とうとう決断して、静音対策に乗り出した。

以前「PCが静かに! ノイズ出ないCPUクーラー」という記事でも紹介したように、冷却ファンにはPCの頭脳であるCPUと、PCケース内を冷却するファンに大別される。
CPUの冷却については、ファンの代わりに水で冷やす方式を採用したり、ファンレスクーラーを使用することで静音化が実現できる。一方、PCケース用のファンはたくさんあり、フロント、リヤ、さらにトップ、ボトムにも取り付けられているモデルもある。パソコンの性能が上がるのに比例して熱の発生も増えるため、ファンをたくさんつけて冷却する必要があるのだ。


これらのファンの騒音をともかく何とか静かにさせなければならない。内部を開いて、音を確認してみたところ、筆者のPCはフロントとリヤのみの搭載であったが、一番耳障りになっていたのがフロントの冷却ファンであると判明した。名前の通り、前方にあるファンでハードディスクのすぐ前にある。つまり、熱が発生するハードディスクを冷やしつつ、内部に空気を送り込む役割を担っている。

一番簡単に静かにする方法は、フロント冷却ファンの電源を抜いてしまうことだが、これは危険。冬場のように、そもそも気温の低い季節ならともかく、これから暖かくなっていく中で、それだけはやめたほうがいい。
つぎに簡単な方法は、フロント冷却ファンを静音タイプのファンに取り替えること。これはもっとも常識的な方法である。
が、筆者はあえてこの方法を選ばなかった。というのも、PCショップでおもしろいファンを見つけて別の方法がひらめいたから……。それは、「KAZE-JYU Slim」(サイズ)という100mmのスリムタイプの静音ファンで、一見して普通だが、付属の金具を使ってハードディスクの裏に取り付け可能なのだ。

方法とはつまり、同ファンをハードディスクの裏に取り付けて、フロント冷却ファンの電源をオフにするということ。
これで静音を実現しつつ、冷却もバッチリだ。ただし、真夏になってエアコンがない部屋で使うときには安全のためフロント冷却ファンをオンにする。もちろん、両方オンにすれば冷却性能は今まで以上に向上する。

「ファンの使い分け」というわけで、これなら従来のフロントファンも無駄にならずに静音化できる。おかげで信じられないほど静かになったので、作業に今まで以上に集中できそうだ。こんなにちがうんだったら、もっと早くにやればよかった!!

もし、あなたのパソコンもうるさかったら、一度PC内の状況を調べて対策を考えてみよう。

(羽石竜示)

※記事内容はメーカー保証なしのミドルタワータイプの自作PCで改造しております。今のところ不具合は出ていませんが、本記事を参考に改造する際には自己責任でお願いいたします。