お酒が苦手な女性にも人気が高い梅酒。昔はおばあちゃんが自宅で作っていたというご家庭も多いのでは?
ある市では、乾杯をするときには梅酒でしなければならない、という条例を制定したそう。
その条例制定の経緯を地元の関係者に聞いてみました。

その「梅酒で乾杯」を制定した市とは、和歌山県田辺市。田辺市の担当者さんは、
「2013年の12月に議員提案で、『梅酒で乾杯』条例を制定しました。地元産の梅を使った梅酒や梅干しの積極的な消費を促進する意味もあります」
行政としてもっと梅の消費に力を入れたいという目的から作られたこの条例。梅酒で乾杯しなかったからといって、特に罰則があるわけではないようです。和歌山県田辺市の梅の生産量は2万3千トン/年(2013年実績)で、全国生産量の2割以上を占めています。
しかも、和歌山県全体では、全国生産量の約6割を占めているというから驚きですね。

「梅酒で乾杯だけでなく梅製品も含む条例なので、梅の業者さんも市民の梅の消費を促進しています」と担当者さん。これからのイベント企画が期待されますね。

ちなみにこの条例についての影響を、隣の市にある梅酒業者・中野BCさんに伺ってみました。
「当社のある海南市は『地酒で乾杯』条例を和歌山県ではじめて制定した市です。この地酒にはもちろん梅の産地ですので梅酒も含まれています。
梅酒ブームは最近、やや落ち着いたものの、梅の実からこだわった梅酒といったザ・定番的な梅酒が人気です。そういった意味で海南市では地酒で乾杯条例は根付いている感じがします。ぜひ田辺市の『梅酒で乾杯』条例を手助けしたいですね」

ここは田辺市と海南市、二つの市を合わせて梅関連のイベントを開催するのもいいかもしれませんね。

なんでも最近、田辺市とJA紀南でつくる「紀州田辺うめ振興協議会」では、梅干しを作るときに出る梅酢の「ポリフェノール」にインフルエンザウイルスの増殖抑制と不活性化作用があることを突き止めたそうです。
暖かくなってきたとはいえ、ウイルス予防に気をつけたい昨今、全国的に梅酒で乾杯! っていうのも、いや親父気分で梅干サワーで乾杯! っていうのもいいのかもしれません。
(カシハラ@姐御)