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「働くことができない若者」は本当に「怠け者」なのか『無業社会』

「働くことができない若者」は本当に「怠け者」なのか『無業社会』
『無業社会 働くことができない若者たちの未来』工藤啓 西田亮介・著/朝日新書<br />「甘え」や「怠け者」とやり玉にされることの多い若年無業者(無収入、独身、学生ではない15〜34歳の個人≒ニート)。本書は約2300人もの若年無業者を調査して得られたデータなどを用い、彼らに関する誤った認識を解きほぐしていく。同時に、高度経済成長期以後の日本社会の歪みも見えてくる。誰もが無関係ではいられず、自己責任という言葉では片付けられない問題だ。
「怠け者のクズ」
「働く気がないなら、食べるな」
「わがまま言わず、我慢して働け」

しばしばこんな言葉を投げつけられる彼ら───「ニート」や「ひきこもり」たち。
就労意欲が皆無で、家族以外と会話せず、一日中家に閉じこもり、ゲームやネットに没頭……そんなイメージが浸透している。

しかし、『無業社会 働くことができない若者たちの未来』によれば、これらは極端なケースであるという。
著者のひとり工藤啓は、若者の就労支援などを行う「NPO法人育て上げネット」の理事長。共著者の西田亮介は、情報社会論と公共政策学を専門とする社会学者だ。
ふたりは昨年10月に、若年無業者2000人超への調査結果をまとめた『若年無業者白書 その実態と社会経済構造分析』【Kindle版】を自費出版で上梓している。

本書における若年無業者は、以下の3点を満たす個人を指す。
(1)大学などの学校及び予備校・専修学校に通学していない
(2)配偶者のいない独身者
(3)ふだん収入を伴う仕事をしていない15歳以上35歳未満

さらに3つの類型に分類できる。
(a)就業を希望し、求職活動を行っている「求職型」
(b)就業を希望しながら、求職活動をしていない「非求職型」
(c)就業希望を表明していない「非希望型」

特に「非希望型」は「親のすねをかじり、家でごろごろしているだけ」「口ばっかりで、世間の厳しさをしらない」「ニートは甘え!」と、メディアやネットなどで批難の対象となりがちである。...続きを読む

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